活動(かつどう)・イベント紹介(しょうかい)
イベント・ニュース
令和5年8月
「【全訂版】成年後見人の実務 2023」を発行しました! 詳しくはこちら
令和3年3月
「意思決定支援することになったら読む本」を発行しました! 詳しくはこちら
平成30年11月1日〜
高齢者・障害者総合支援センター「ひまわり」20周年記念企画『研修・相談会及び無料出張相談』を実施します! 詳しくはこちら
平成30年7月「任意後見マニュアル」を発行しました! 詳しくはこちら
平成30年7月1日∼「障がい者福祉施設従事者による障がい者虐待対応研修」無料出張講座を実施します! 詳しくはこちら
平成30年5月21日「障がい者への『強制不妊手術』被害者電話相談」を実施しました! 詳しくはこちら
平成30年4月1日「後見人等のための意思決定支援ガイドライン」が作成されました! 詳しくはこちら
平成30年3月30日「障がい者への『強制不妊手術』被害者電話相談」を実施しました! 詳しくはこちら
平成29年11月「介護事故を考えることになったら読む本」を発行しました! 詳しくはこちら
平成29年9月8日「養介護施設従事者による高齢者虐待対応研修」出張講座を実施します! 詳しくはこちら
平成29年9月8日「ひまわり」電話相談・来館相談を、毎日行います! 詳しくはこちら
平成29年8月25日「近弁連高齢者・障害者の権利に関する連絡協議会『夏期研修会』」を実施しました。詳しくはこちら(PDF書類)
平成29年4月1日~地域包括支援センター法律支援事業を、府下16市町村及び大阪市内20区で実施しています。
障害者相談支援事業所法律支援事業を、府下4市町村で実施しています。
高齢者虐待対応専門職チーム派遣契約を、大阪府及び府下18市町村と締結しています。
障害者虐待対応専門職チーム派遣契約を、大阪府及び府下10市町村と締結しています。
平成29年3月31日「大阪弁護士会における障害を理由とする差別の解消の推進に関する対応要領」の策定について 詳しくはこちら
平成29年3月11日「認知症の人の権利擁護~安心して暮らせる地域社会を実現するために~」を開催しました。詳しくはこちら【受付終了】定員に達したため、お申し込みを締め切りました
平成29年1月27日障がいをお持ちの方を支援されている方へ。
支援対象者が逮捕されたら「当番弁護士」を呼んでください。詳しくはこちら
平成28年12月17日『風は生きよという』映画上映会&トークセッション~障がいのある人の人権と、命・暮らし~を開催しました。詳しくはこちら
平成28年12月8・9日「障害者差別解消法 特別電話相談」を実施しました。詳しくはこちら
平成28年11月11日講演会「医療観察法の現状と問題点」を開催しました。詳しくはこちら
平成27年10月23日~精神科病院巡回法律相談を実施しています。
ひまわりの活動(かつどう)
法律相談業務
講師の派遣
成年後見に関する活動
高齢者・障がい者に対する虐待防止に関する活動
精神保健に関する活動
障がい者の刑事弁護に関する活動
調査・研究活動
講師の派遣
障がい者・高齢者に関係する講演や学習会に講師を派遣しています。対象者や目的に合わせて、内容を工夫しています。行政機関、介護事業所、病院等での研修、定期研修や連続研修にもご利用いただけます。
講師料や申込方法・申込書、講師派遣については、こちら。
講演についてのご相談・お問合せは、ひまわり事務局(06−6364−1251)へ。
講演タイトルと受講対象者の具体例については、こちら。[▼ 開く/閉じる]
講演タイトル |
受講対象者 |
「成年後見制度の基本」 |
各種専門職 ~ 一般 |
「エンディングノートと任意後見」
「終活と任意後見」
「遺言と成年後見」 |
一般 |
「親亡き後問題と成年後見」 |
障がい者の家族
支援者 |
「市民後見人」 |
行政機関
地域包括支援センター
一般 |
「高齢者虐待とは何か~これって虐待ですか」 |
行政機関
地域包括支援センター
一般 |
「シリーズ研修 介護施設における権利擁護@~D」 |
介護施設職員 |
成年後見に関する活動
後見活動への支援
ひまわりでは、質の高い後見人となる弁護士を研修により育成するとともに、家庭裁判所からの後見人推薦の依頼に対して、事案の特性に応じて適切な弁護士を推薦しています。
さらには、後見人経験交流会等を実施することで、弁護士の後見業務をサポートしています。
(1)弁護士を対象とする研修
弁護士を対象に後見の基礎知識・専門知識について、年間複数回の研修を実施しています。家庭裁判所から後見人の推薦依頼があった場合、研修を受講した弁護士の中から、弁護士を推薦しています。
(2)家庭裁判所への推薦
平成12年の成年後見制度の改正以降、家庭裁判所から大阪弁護士会に対する後見人等候補者の推薦依頼は年々増加していました。
近年も、継続的に多数の推薦依頼があります。
これだけの推薦数は全国的にも群を抜いていますが、近時の急増の要因は、大阪府下における親族後見人の割合の低下と第三者後見人の絶対的増加に加えて、市町村による虐待対応のための後見制度利用の増加、親族後見人の不祥事の防止や不祥事への対応のための後見監督人の選任の急増といったことが考えられています。ひまわりでは、事案の特性に応じて適切な弁護士を、家庭裁判所へ推薦できるようにシステムを構築しています。
(3)弁護士へのサポート
ひまわりは,成年後見人等に選任された弁護士へのサポートとして、弁護士間で意見交換をおこなう後見人経験交流会や、社会福祉士を招いてのスクリーニング会議を開催したり、成年後見や財産管理に関する弁護士向けのマニュアルを作成したりしています。
高齢者・障がい者に対する虐待防止に関する活動
大阪社会福祉士会とともに「虐待対応専門職チーム」をつくり、虐待ケースを検討する行政の会議に出席して、虐待の解消や予防のための助言を行っています。
高齢者対応は平成17年から、障害者対応は平成22年から活動しています。
虐待は、身体的虐待のほか、経済的な虐待、ネグレクト(介護放棄)、心理的な虐待(無視、暴言など)など、幅広く、誰の身にも起こりうるものです。また、ネグレクトは、不適切なケアと隣り合わせです。
虐待対応への関わりを通じて、虐待を予防し解消するだけでなく、高齢者、障害者と周囲の支える人達が、互いを理解・尊重し合えることへのサポートができるよう、心がけています。
精神保健に関する活動
精神病院に弁護士が出張して、入院中の方と面談し、処遇改善や退院の相談にのります。
担当医から事情を聞いたり、病院と交渉したり、場合によっては精神医療審査会に対して退院・処遇改善請求をします。
Q1. 精神保健支援業務の意義と目的
-なぜ弁護士がこのような活動を行っているのか-
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精神障がい者ないし精神病というものに対しては、一般には得体の知れないもの、恐いものといった無知・無理解があります。そこから、精神障がいを持つ人に対しては精神病院等の施設に入院(強制入院が中心)させ、社会から隔離するという発想が長らく続き、また、施設内においても通常の医療というイメージからかけ離れた患者処遇が常態化し、人権侵害の温床となってきました。
近年、精神保健福祉法に基づき、都道府県知事への退院請求や処遇改善請求等の救済制度が一応整えられてきています。しかし、患者自身にその制度の存在が十分に知らされていないことや入院中の患者の代理人として法的援助を行う制度が存在していないことから、この申立制度は申立件数も少なく、患者救済のために十分機能しているとは言いがたい現状です。
そこで、このような現状を改め、入院中の患者が人権救済手段を現実に行使しうるように法律専門家である弁護士による支援活動を充実させることが必要になってきたのです。
Q2. 具体的にはどのような活動を行っているのか
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1. 電話による事情聞き取り
入院者から当センターに電話をいただきますと、担当の弁護士から電話により相談内容の概要をお聞きし、退院請求または処遇改善請求に係わるものであれば、改めて病院に面接に行って詳しい話をお聞きします。相談内容がその他の一般の法律相談であれば、一般の法律相談として、出張相談等を行います。
2. 病院での相談
電話で日時を決めてから、担当弁護士が病院に出向き、原則として相談者と二人だけで(病院関係者を立ち会わせずに)相談をお受けします。
3. 相談者の代理人としての活動
相談の結果、相談者が退院請求または処遇改善請求を希望する場合、相談者との間で委任契約を締結して相談者の代理人として都道府県の精神医療審査会への申立を行います。
Q3. 費用はどのくらいかかるのか
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退院請求又は処遇改善請求等を相談する場合、出張相談は原則として無料です(ただし、法テラスの資力基準による)。
その後手続きを依頼する場合の費用は、3~12万円(交通費等の実費は別途)です。
ただし、ご自身で費用を用意されることが難しい場合は、上記費用については、立替制度が利用できます(ただし、法テラスの資力基準によります)。
障がい者の刑事弁護に関する活動
刑事事件の中で、警察官や検察官、裁判官などとの意思疎通がうまく図れず、結果的に、自分の言い分が警察官や検察官、裁判官などに正しく理解されることないまま、不当な厳罰を受けるなどし、適正な刑事手続きを受ける権利が侵害されるおそれもあります。
そこで、ひまわりでは、障がいのある人が被疑者(警察官や検察官などから罪を犯した疑いをかけられ、犯罪捜査の対象とされている人)・被告人(罪を犯したとして起訴されている人)となった場合に、適正な刑事手続が受けられるよう、ひいては、障がいのある被疑者・被告人が、障がいがあることによって不利益を被ることのないよう、日々活動を行っています。
Q1. 障がい者刑事弁護
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障がいのある人は、人の話を正しく理解することや、自分の考えや気持ちを相手に対して正確に伝えることなどが、障がいのない人と比較して、なおのこと困難です。
例えば、警察署や検察庁での取調べにおいて、障がいがあるために、警察官や検察官からの質問の意味が正しく理解できていないにもかかわらず、質問の意味を理解したかのように振る舞い、警察官や検察官の誘導に乗せられ、あるいは、警察官や検察官に迎合し、警察官や検察官の言い分を認めてしまうようなことがあります。また、障がいがあるために、自分の考えなどを警察官や検察官に正しく伝えることができず、自己防衛が十分にできないこともあります。その結果、共犯者の罪をすべて被せられたり、無実の罪を着せられたりする危険があります。
さらに、障がいのある人は、特定の事柄に対する強いこだわりなどを持っていることがあり、そのような強いこだわりなどが影響し、人との意思疎通を図ることが難しくなることがあります。
刑事事件の中で、警察官や検察官、裁判官などとの意思疎通がうまく図れず、結果的に、自分の言い分が警察官や検察官、裁判官などに正しく理解されることないまま、不当な厳罰を受けるなどし、適正な刑事手続きを受ける権利が侵害されるおそれもあります。
そこで、ひまわりでは、障がいのある人が被疑者(警察官や検察官などから罪を犯した疑いをかけられ、犯罪捜査の対象とされている人)・被告人(罪を犯したとして起訴されている人)となった場合に、適正な刑事手続が受けられるよう、ひいては、障がいのある被疑者・被告人が、障がいがあることによって不利益を被ることのないよう、日々活動を行っています。
具体的には、被疑者として身体を拘束された人が「当番の弁護士を呼んでください」と言うときに、療育手帳や精神障害者保健福祉手帳等を持っていたり、「自分は障がいがあります」「精神科の病院に通院しています」などと言っていたりする場合には、その旨「刑事当番」の係に連絡が入るようになっており、障がいの特性について理解のある弁護士を派遣するシステムを作っています。
また、障がいのある人の刑事事件は、本人の利益や刑事処分でも複雑な問題が多いため、障害者刑事弁護サポートというメーリングリストを立ち上げ、障がいに詳しい弁護士が、障がい者の刑事弁護を担当している弁護士の悩みや相談に乗り、リアルタイムでアドバイスをすることができるシステムを作っています。このメーリングリストでは、例えば、障がいのある被疑者・被告人が身体拘束を解かれた後のことについて、どのような支援が可能かということなどが議論されています。
《障がいのある被疑者・被告人向けのリーフレット》
Q2. 刑事手続
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逮捕 |
逮捕された場合、最大72時間身体を拘束されます。
この72時間の間に、検察官が、被疑者の拘束を続ける(勾留する)よう裁判官に請求するかどうかを決めます。72時間の間に釈放されることもあります。 |
勾留 |
検察官が勾留を請求すると、裁判官が被疑者の言い分を聞き(勾留質問)、引き続き身体を拘束するかどうか判断します。
裁判官は、引き続き身体を拘束する必要があると判断すれば、原則として10日以内の間、勾留することができます。ただし、勾留は最大10日間延長することができますので、最大20日間勾留されることがあります。この勾留期間の間に、検察官が、起訴するかどうかを決めます。
裁判官が引き続き身体を拘束する必要がないと判断すれば、釈放されます。
※ここで言う「勾留」は、起訴前の勾留のことを意味します。つまり、勾留は最大20日間と言っても、起訴前の勾留は正式起訴がなされれば自動的に起訴後の勾留に切り替わるので、起訴後の勾留も含めると、勾留が20日間で終わるわけではありません。
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起訴 |
検察官が被疑者を裁判にかけることを決めると、起訴されます。起訴されると、被疑者は被告人という呼び名に変わります。
起訴には、正式起訴と略式起訴の2種類があります。犯した犯罪が比較的軽く、100万円以下の罰金刑が相当であって、被疑者・被告人が直接裁判官に自分の言い分を聞いてもらわずに罰金刑を科されることに同意している場合には、略式起訴がなされます。略式起訴の場合には、裁判官が書面のみを見て裁判するため、起訴と同時に釈放されます。これ以外の場合には、正式起訴がなされます。正式起訴がなされると、起訴前に勾留されていた被疑者は、起訴後も引き続き勾留されることになります。
検察官が裁判にかけないと決めれば、釈放されます。 |
裁判 |
起訴後は、勾留されていても、保釈の請求をすることにより、裁判の間、仮に釈放される可能性があります。保釈を認めるかどうかは裁判所が判断します。被告人が逃亡しないことを約束し、保釈保証金を納めて、所定の要件を満たせば、保釈が認められる可能性があります。 |
Q3. 責任能力
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刑事手続は、罪を犯したことについてその人に責任を問う手続です。
責任を負わせるためには、その前提として、その人が自分の意思や判断により罪を犯したといえることが必要です。そのような場合に初めて、人を非難することができるのです。
つまり、被告人が、「@自分の行っていることが悪いかどうか判断することができ(善悪を判断する能力があり)、Aその行動に出ることを思いとどまることができた(行動を制御する能力もあった)にもかかわらず、その犯罪を行った」といえて初めて人の責任を問うことができます。
ここでいう@善悪を判断する能力とA行動を制御する能力を併せて責任能力と呼びます。
刑法は、その行為の当時、障がいの影響(例えば幻覚や妄想など)により、善悪を判断する能力がなくなっていたり、あるいは、善悪を判断する能力はあるけれども、行動を制御する能力がなくなっていたりした場合には、罰しないこととしています。そのような場合には、「心神喪失」と言い、起訴されても無罪となります。
同様に、その行為の当時、障がいの影響により、善悪を判断する能力が著しく低下していたり、あるいは、行動を制御する能力が著しく低下していたりした場合には、「心神耗弱」と言い、起訴されても刑が減軽されます。
このように、障がいの症状によって心神喪失や心神耗弱の状態に陥っている人が犯罪を行う場合、それはあくまで障がいの影響があるわけですから、他の人と同様に非難したり刑事責任を問うたりすることはできません。
Q4. 医療観察法
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「医療観察法」(正式名称は、「心神喪失等の状態で重大な他害行為を行った者の医療及び観察等に関する法律」といいます。)は、心神喪失等の状態において重大な他害行為を行った人に対して、継続的かつ適切な医療を行うことにより、その病状を改善し社会復帰を促すための法律です。
「重大な他害行為」とは、殺人、強盗、傷害、不同意わいせつ・不同意性交等、放火等を指します。
心神喪失や心神耗弱の状態においてこのような重大な他害行為を行った人が円滑に社会復帰をすることができるように、医療観察法に基づいて、医療、観察及び指導が行われることになっています。
しかし、「重大な他害行為を行った」と疑われた人は、通常の刑事事件と同様、多くの場合、逮捕・勾留されて、警察署で身体拘束を受けます。
また、通常の刑事裁判手続にならなかった場合でも、「重大な他害行為を行った」と検察官によって判断された人に対しては、原則として、裁判官によって鑑定入院命令がなされます。これにより、重大な他害行為を行ったとされた人は、容易に病院から出ることができず、人権を制約されます。
さらに、審判の場面でも、医療のため、治療のためという名目のもとで、医療観察法上の入院対象でない方についてまで入院決定がなされてしまう危険があります。そして、ひとたび入院決定がなされてしまうと、入院が長期化し、人権が制約される危険があります。
そこで、身体拘束当初から弁護士が関わって、不当な人権制約がなされないよう活動することが大切です。
→障がい者の刑事事件について相談したい方はこちら。
調査・研究活動
高齢者・障がい者の法律問題に関する調査・研究を行っています。近年の活動を紹介します。
● 介護事故をめぐる法的問題と現場におけるリスクマネジメント
介護事故に関する文献、事故例・判例を研究し、「介護事故を考えることになったら読む本-95裁判例から学ぶ予防と訴訟対応-」(大阪弁護士協同組合より出版)にまとめました。
● 意思決定支援
大阪意思決定支援研究会が平成30年3月に発表した「意思決定支援を踏まえた成年後見人等の事務に関するガイドライン」(令和2年3月補訂)をもとに、意思決定支援に関する考え方や、チームを作って意思決定支援をしていくプロセス等について研究を深め、Q&A方式で「意思決定支援することになったら読む本〜大阪版意思決定支援ガイドラインを基本に考える〜」(大阪弁護士協同組合より出版)にまとめました。
● 今後のテーマ
意思決定支援に関する実践がまだまだ少ない状況ですので、アセスメントシートの活用や福祉専門職との連携など、できるところから実践を積み重ね、それをフィードバックして研究を進めていく予定です。
意思決定が困難な人に出会った時に、周囲の人が「代わりに決めてあげる」ことから「本人が決められるようにする」ことへ支援の視点を変えることによって、誰もが自分らしく生きていけるように、今後も意思決定支援に取り組んでいきます。