提供できる法的サービス
- 自治体の公正職務審査、内部通報窓口、第三者調査、その他コンプライアンス確保のための弁護士を推薦し派遣します。
- 具体的には、①内部通報窓口設置及びそれに伴う内部規程整備に関する相談、②消費者庁が策定した「公益通報者保護法を踏まえた国の行政機関の通報対応に関するガイドライン」や「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン」への対応に関する相談、③内部通報の外部窓口としての対応が可能な弁護士の推薦、④公益通報者保護制度に関する研修講師の派遣などを行います。
- 大阪弁護士会では、「公益通報者サポートセンター」を立ち上げ、組織内部の不正に関する相談などを年間100件程度受け付けており、このような実績と経験を活かし、自治体の内部通報制度の外部窓口を担当する弁護士や、あるいは内部の不正に関する調査を行い報告書を作成したりする弁護士を推薦しています。
- また、公益通報者支援委員会において、公益通報者保護法やそのガイドラインの分析・研究なども行っており、消費者庁のガイドラインに基づく体制づくりのご相談に応じることのできる、公益通報者保護法や同法ガイドラインに詳しい弁護士を推薦するなど、自治体がより良い内部通報制度を導入するためのお手伝いしています。公益通報者保護法・内部通報制度について出張セミナーやレクチャーを行う弁護士の推薦も可能です。
- どうぞお気軽にご相談下さい。
●内部通報制度とは
- 内部通報とは、職員などの組織内部の者が、組織内で不正な行為が行われていることを通報することです。そして、そのような内部通報を受け付けるための窓口を自治体内に設置するなどして、内部通報をうまく活用するための制度が内部通報制度です。
- 組織内の違法行為が発覚する最大の端緒は内部通報であると言われており、実際にも、外部窓口を導入した自治体では、職員による手当の不正受給、職務上の義務違反等に関する通報が寄せられています。このような不祥事は具体的に被害を訴える者が想定しづらい上、放置しておけばより重大な事態に発展していた可能性もあり、通報制度が整備されていたからこそ早期の発覚に至ったと言えます。昨今の自治体の不祥事(例えば、職員による拾得物の着服、賭博等)からも明らかなように、自治体としても、内部通報を有効に活用し早期に対処することができなければ、住民の信頼を失い大きなダメージを負うリスクがあります。
●国のガイドライン
- 内部通報については公益通報者保護法で規定されていますが、同法を所管する消費者庁は、2017年(平成29年)7月に「公益通報者保護法を踏まえた地方公共団体の通報対応に関するガイドライン」を公表しました。これは、地方公共団体において内部の職員等及び外部の労働者等からの通報を適切に取り扱うため、各地方公共団体が取り組むことが求められる基本的な事項を定めた指針です。その中では、各地方公共団体に対し、内部に通報受付窓口を設置するだけでなく外部に弁護士等を配置した窓口を設置することを求めています。
- なお、消費者庁によれば、内部の職員等からの通報・相談窓口を設置している市区町村の割合は、大阪府内では全体の71.4%にとどまっており、さらなる整備が求められています(下記URL(「行政機関における公益通報者保護法の施行状況調査の結果の概要と今後の取組について <参考資料>」)をご参照下さい)。
https://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_system/whisleblower_protection_system/research/investigation/pdf/h28kouekisekou_2.pdf
●外部窓口を設置するメリット
- 内部の職員ではなく、外部の第三者が通報窓口を担当することのメリットとして、以下のようなことが挙げられます。
・徹底した秘密保持により、通報者が安心して通報できる
通報者が通報をためらう最も大きな理由は、自分が通報した秘密が守られるかどうかに不安があることとされており、現に、通報したところ内部で犯人探しが始まって通報者が特定され、職場内でのいじめや報復人事に発展してしまった例が散見されます。この点、内部の窓口では、通報者は自分が通報した秘密が守られるかに不安を覚え通報をためらうことも多いのに対し、外部の窓口であれば通報者の匿名性を確保できる仕組みとすることができるため、より安心して通報することができます。
・通報窓口担当職員の負担を軽減できる
内部通報は恒常的になされるわけではないため、多くの場合、内部の窓口の担当者(多くの場合は総務部局の職員)は本来業務が別にあり、通報窓口業務と兼務しています。他方、通報がなされると、その対応には相当な労力を要し、本来業務を圧迫したり、職員に過度の負担がかかってしまうことがあります。外部に窓口を設置してそちらへ通報させるようにすれば、自治体内の担当者は本来の業務に専念することができます。
・信頼向上が期待できる
外部の窓口には上記のようなメリットがある上、中立性・信頼性の高い外部窓口を設置すれば、自治体内のコンプライアンスを積極的に図っているという信頼を得ることができます。
●弁護士が外部窓口を担うメリット
・守秘義務を負っている
弁護士は法律上の守秘義務を負っていますので、通報者の匿名性が確保され、通報者はより安心して通報することができます。
・法的観点から事実関係を整理できる
弁護士は、通報者の述べる様々な事実関係を整理して聴取し、その中から違法なこととそうでないことを的確に整理した上、通報内容が客観的・合理的であるか、証拠に基づいているか、自治体が是正する必要があることかどうかを見極めることができます。
・通報に対応する能力が高い
弁護士には日頃の業務で培われた高い事情聴取能力や現場対応能力があり、通常の職員では対応に苦慮するような方に対してもより適切に対応することができる場合があります。