LGBTsに関するQ&A

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私はレズビアンで,パートナーと20年間一緒に暮らしています。この間,不動産を購入し,また預貯金もある程度の金額になりました。すべて私の名義なのですが,私が死んだ後にパートナーにそれを譲るにはどうすればいいですか。

公正証書遺言など民法が規定する遺言を作成するなどの方法により,死後,財産をパートナーに遺贈することができます。ただし,パートナーは相続人ではないので,遺言がなければ,同性パートナーは財産を譲り受けることができません。また,親族から遺留分減殺請求を受けることがあります。

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  • 同性パートナーは相続人ではない
     相続人の範囲は民法により定められており,配偶者は当然に相続人になりますが,同性パートナーは配偶者ではないので相続人ではありません。
  • 遺言書による遺贈
     自筆証書遺言は,自分一人で作ることができ,費用もかからず手軽です。ただし,その様式は法律で厳格に定められており,誤りがあると有効な遺言書とは認められません。また自筆証書遺言は,遺言をした人の死後,家庭裁判所で検認という手続きを経なければ,有効な遺言として取り扱うこともできません。
     自筆証書遺言を託されたパートナーは,遺言者の死後,遺言の所持人として家庭裁判所に検認の申立てをします。
    検認が申し立てられると裁判所は,遺言者の法定相続人に対して,検認手続に立ち会えることを通知し,検認の手続きでは,出頭した法定相続人と申立人であるパートナーの同席のもと,裁判官が遺言書をそれぞれに提示します。
    遺言者が生前に,同性愛者であること,同性パートナーがいるということを,親族に明らかにしていなかった場合,検認の手続で,遺言者のパートナーは,生前の遺言者との関係について,遺言者の親族に説明しなければならなくなるかもしれません。
     公正証書遺言は,公証人役場で,二人の証人の立会いの下,公証人に遺言の内容を口授し作成します。事前に公証人との遺言書の内容の打合せと確認をしなければいけませんし,公証人の費用もかかりますが,公正証書遺言は,遺言をした人の死後,自筆証書遺言の検認のような手続きを経ることなく,遺言として財産承継の手続きに取りかかることができます。
  • 遺留分減殺請求権
     直系親族および配偶者は,相続人として遺留分減殺請求ができます(民法1028条)。遺留分減殺請求権とは,遺言により法定相続分が侵害される相続人が,相続財産に対して遺言に係らず一定割合の権利主張ができることを法律が認めたものです。
    遺言者が全ての財産をパートナーに遺贈するという遺言を作成しても,遺言者に法律上婚姻関係にある配偶者,親,子がいる場合,それら相続人は,遺留分減殺請求権に基づき,相続財産の一定割合を引き渡すよう求める調停や訴訟を,遺言者のパートナーに対して起こすことができます。
    遺言者がパートナーとの関係を,親族に明らかにしていなかった場合など,亡くなった遺言者の全財産を遺贈により承継したパートナーの存在を初めて知ることになった親族が,パートナーとの間で遺留分について紛争状態になることは,必ずしも遺言者が望むことではないかもしれません。
    パートナーと相続人の間で,遺留分の紛争が生じないように工夫した財産の分け方を,遺言作成の段階で考えておくことは大切なことでしょう。
  • 遺言によらない財産承継権
     法律上当然に相続することができない同性パートナーに財産を承継する方法として,遺言書による方法のほか,同性パートナーを受益者とする信託を利用する方法や,同性パートナーを保険金の受取人とする生命保険契約を利用する方法などがあります。
    また,養子縁組をすることで,法律上の親子関係が形成され,遺言がなくても相続人として財産を承継することができます。
私はMTFの学生で、大学などでは女性として社会生活を送っていますが、性別変更の手続きは行っていません。女性として就職活動をしているのですが、エントリーシート等に女性と記載しても問題ないですか。

場合によっては、虚偽の申告や経歴の詐称として内定の取消理由になることもあります。

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就職活動等を行う際、性同一性障害の当事者は、履歴書やエントリーシートの性別欄に、戸籍上の性別を記載するかどうかという問題に直面することになります。当事者は、常に、カミングアウトすることによる不利益と、カミングアウトしないことによって生じるかもしれない危険とに曝されながら、重い精神的負担を負って活動することを強いられているのが実情です。
 男女雇用機会均等法5条1項は、「事業主は、労働者の募集及び採用について、その性別にかかわりなく均等な機会を与えなければならない。」と定めています。男女雇用機会均等法は、条文上は、男性と女性との間での差別を禁止するものですが、性同一性障害等で、戸籍上の性別と、実際の生活の中での性別が異なっている人を排除する趣旨ではありません。したがって、この条文の趣旨に照らせば、性同一性障害の当事者であるということを理由に、募集及び採用における差別をすることも禁じられると解すべきです。
 性別による差別が許されないにも関わらず、なぜ、エントリーシートや履歴書に性別を記載させるのか、事業主は、そもそも、性別に関する情報を収集する必要性が本当にあるのかあらためて考えるべきです。
ただ、企業には、雇用機会均等法等に反しない限り、どのような人を雇うかという点について、自由に判断をすることができます。
そのため、採用の際に、会社から問われたことについて、事実ではないことを述べたり、会社に対して、事実ではないことを申告したりした場合には、その点をもって、信頼関係を損なったとして、内定が取り消される場合があります。つまり、性同一性障害であることや性別そのものが問題になるわけではなく、雇用者に対して虚偽の事実を申告したということが問題にされてしまいます。
ですので、性別欄のない履歴書を使用する等の方法をとることが可能であれば、その方法を取るべきでしょう。
しかし、企業がどのような場合にも自由に内定を取り消せるわけではなく、内定の取消には、「客観的に合理的で社会通念上相当」な理由が要求されます。
裁判例の中には、外国籍であることを隠し、応募書類の氏名及び本籍地欄に、通称名と虚偽の本籍地を記載し、採用内定を得た内定者に対し、企業が、それらの虚偽記載を理由に内定を取り消すことはできないと判断した例があります(横浜地判・昭和49年6月19日)。この事件では、裁判所は、虚偽記載の内容・程度が重大なもので、信義を欠くようなものでなければ採用内定を取り消すことはできないと述べた上で、内定取消が、国籍を理由とする差別的取扱いであり、採用内定の取消は無効と判断しました。
就職活動中には、学生は、学力や一般常識、志望動機、コミュニケーション能力等、様々な観点による評価を受ける訳ですから、その中で、国籍を偽ることは、内定を取消すことができるような重大な事由には当たらないと判断されたのです。性別についても、裁判所が、同様の考え方を取ることは十分にあり得ます。
 既に雇用されている性同一性障害の労働者の解雇に関しては、戸籍上の性別である男性ではなく、女性として就業しようとした際に、懲戒解雇を行った企業に対する裁判例としては、雇用者は、性同一性障害の労働者に対する理解を高め、相応の配慮を行う義務があることを認め、懲戒解雇をすることはできないと判断したものがあります(東京地方裁判所平成14年6月20日決定労判1830号13頁)。
既に雇用されている労働者を解雇できる場合と、これから雇用される場合とでは、企業に求められる配慮義務に大きな差がありますが、上記の裁判例からも分かるように、裁判例では、性同一性障害の労働者に対して相応の配慮義務があることを、企業は自覚すべきでしょう。

私はゲイです。出会い系アプリで,性的関係を持つことを目的に知り合った相手に言われるまま自分の本名や仕事を伝えたところ「ゲイだとばらすぞ」「バラされたくなかったらお金を払え」と脅されるようになり,言われるままお金を渡す関係が続いています。
お金を渡すのをやめたいのですが,やめたらゲイであることをバラされるんじゃないかと心配です。また警察に被害届を出したことでかえってゲイだということが広く人に知られるのではないかと心配です。

恐喝被害です。警察への被害届や告訴など,毅然とした対応を取り,加害者に対する被害額相当の損害賠償請求などができます。

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  • 恐喝被害であること
     相談者がゲイである事実を公にカミングしていない場合,意に反してそれが暴露されることは,私生活上の秘密を侵すことであり,そのことは相談者にとって精神的苦痛を伴うばかりか,社会生活上の具体的不利益が生じる可能性があります。
    「ゲイだとばらすぞ」といって金銭を要求することは,私生活上の秘密を侵すことにより生じる精神的苦痛や社会生活上の不利益を畏怖させて金銭を支払わせようとするものであり,恐喝罪(刑法249条1項)に該当する犯罪です。
    恐喝の被害者として,警察への被害届の提出や刑事告訴をすることができます。
  • 被害届や刑事告訴での注意点
     実務上,被害届や刑事告訴については,最終的に金銭を交付した場所を管轄する警察署が受理の取扱いとされることが一般的です。
    警察に被害届等をする際には,記憶を喚起して金銭を交付した場所や時間の特定をできる限りしておくことが必要です。
    また,加害者とのやりとりがメールやLINEなどである場合は,それは恐喝の事実を裏付ける証拠となりますから消去や紛失しないようにしておかないといけません。
    また,加害者の携帯電話番号やメールアドレスほか,出会い系アプリにおいて加害者が公開しているプロフィール写真などの情報も,加害者を特定するための重要な証拠になります。
    警察の迅速な捜査を促すためにも,被害届等の時点で被害者側として収集できるかぎりの証拠を提出しておくことは有用です。
  • 捜査や裁判の過程で自分がゲイであることは公になるのか
     警察が捜査の過程でゲイである事実を関係者や家族に告知するということはまず考えられません。また氏名などが被害者として社会に公表されることも通常はあり得ません。
    しかし捜査の結果,加害者が逮捕勾留されあるいは逮捕勾留されなくとも在宅で起訴されたときは,公開の法廷で被害者として氏名が記載された起訴状が読み上げられますし,場合によっては,被害者として法廷で証人として証言することを求められることもあります。
    性犯罪事案においては被害者氏名を匿名で記載する起訴状も認められる場合がありますが,恐喝など財産犯事案で被害者氏名を匿名で記載する起訴状が認められることは難しいと思われます。
  • 実際にゲイであるとバラされた場合について
     加害者が,相談者から金銭を喝取するだけでなく,実際に家族や職場などにゲイであることをバラした場合,すなわちアウティングされた場合,それは私生活上の秘密を侵す不法行為です。
     それによって受けた精神的苦痛についての慰謝料,そしてそれによって社会生活上で受けた財産的不利益について,加害者に対する損害賠償請求ができます。
     警察・検察による捜査や刑事裁判の過程で,加害者の特定ができれば,これまで喝取された損害額だけでなく実際にされたアウティングによる被害金額も損害賠償として請求できます。また,刑事事件の被疑者被告人となった加害者と示談交渉においても,喝取された金額だけでなく,あなたが実際に被った損害額を基準にした協議をするべきでしょう。

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