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「カジノ解禁実施法」について考える

2018.11.28

2025年、大阪で万博が開催されます。

55年ぶり2回目の大阪開催にむけて今後施設等が建設されていく予定です。この万博開催にあわせて、大阪で検討されているのが、「日本版カジノ」です。

みなさん一度は聞いたことがあるかもしれませんが、2018年7月に成立した、正式名称「特定複合観光施設区域の整備の推進に関する法律」、略して「IR推進法」は、「カジノ解禁実施法」ともいわれています。日本において特定の複合観光施設でカジノを営業することができる、その枠組みを定める法律がこのIR推進法です。では、そもそもなぜこのような枠組みが必要となるのでしょうか。

日本の刑法は、賭博や富くじを禁止しています。一方で宝くじや競馬は娯楽として浸透しているのも事実です。これらは、当せん金附証票法(いわゆる宝くじ法)、競馬法という法律が、刑法の例外としてこれらを合法としているからです。

馴染みのあるところでは、サッカーのワールドカップでも話題となった「toto」くじも、スポーツ振興投票の実施等に関する法律(いわゆるサッカーくじ法)によって合法とされています。

刑法が賭博や富くじを禁止する理由について、ある裁判例は、「勤労その他正当な原因によるのではなく、単なる偶然の事情によって財産を手に入れようと争うようなことになると、国民に怠惰浪費の風潮が生まれ、健康で文化的な社会の基礎をなす勤労の美風を害する」と述べています。公の秩序や善良の風俗を守るということです。

IR実施法の枠組みに沿って「日本版カジノ」の構想が進むこととなる一方で、ギャンブル依存や反社会的勢力の介入といった弊害に対する対策も具体的に取り組む必要のある重要な課題です。

誘致をめざす自治体のみならず日本全体の課題として真摯に向き合うべき問題であり、これを乗り越えなければ、公の秩序や善良の風俗を守るという根本が揺らぎかねません。

大阪弁護士会ではこの問題に関連したイベントの開催を随時予定しており、ぜひみなさんにも関心を持って頂きたいと考えております。

12月10日開催:講演会「オーストラリアのギャンブル対策の現状と課題」

 

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