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合唱サークルでクリスマスソングなどを歌っている様子を撮影して配信することは著作権侵害になるのでしょうか。

2021.12.08

大学の合唱サークルに入っています。コロナの影響もあり例年のクリスマスコンサート開催が中止となったので、歌っている様子を動画で撮って、来てくれる予定だった50名限定に500円で(または無料で)配信することを予定しています。曲は、クリスマスの童謡から最近のアニメソングまで盛り込みました。この動画を撮影して配信することは問題ないでしょうか。

 

1 音楽の動画配信では、著作権侵害に注意が必要です。

 もし、音楽を作った作詞家や作曲家に無断で、音楽CDをコピーしたり、自由にインターネットなどにアップロードしたり、他人の曲を歌うライブを開催して入場料をとることができたりとしたらどうでしょう。音楽を作った側に立てば、せっかく良い音楽を作っても、自分が正当な利益を得ることができなくなってしまいます。

このような事態を避けるため、歌詞や楽曲を創作した作詞家・作曲家、あるいはCDなどの著作物を販売した製作者などに対し、著作権法により「著作権」という権利が与えられています。

音楽の「著作権」には、CDや楽譜をコピーする権利(複製権)、音楽を演奏や上映する権利(演奏権)、テレビやネットで配信する権利(公衆送信権)などが含まれております。そのため、後述する例外となるケースを除いては、他人の著作物を勝手に演奏したり、ネットで配信したりといったことはできず、著作者から許可を得る必要があります。

もし許可を得ず、他人の著作権を侵害した場合、民事上の損害賠償請求を受ける可能性があります。また、著作権法違反として刑事罰を受けることもあり、十分注意が必要です。

2 例外として許可がいらない場合は?

とはいっても、音楽CDのコピーや演奏などを行うすべての場合に許可が必要というものでもなく、例えば、次のような場合には、許可がなくとも自由に音楽を使うことができます。

① 私的使用のためのコピー(車の中で自分が聴くためにCDをコピーする場合や、友達に配ったりする場合は私的使用にあたりません。)
② 学校の授業や試験などのために必要最小限の範囲でのコピー
③ 営利を目的としない上演等(ただし、演奏をテレビやネット等で配信する場合は公衆送信権の問題となり、この例外にはあたりません。)

3 クリスマスコンサートを開催するのに許可は必要か?

まず、動画配信の場合ではなく、例年通り、実際にコンサートを開催して観客に聞かせる場合であればどうでしょう。

この場合、もし観客から一切お金をとらないのであれば、上記2の③の例外(営利を目的としない上演等)にあたり、著作権者の許可は不要ということになります。

一方、入場料などのお金を取る場合は、営利目的の上演として、著作権者の許可が必要ということになります。

また、大学のサークル活動であれば、特に問題にはならないと思われますが、入場料を取らない場合でも、販売促進に役立つ場合は営利となる場合もあります。例えば、ショッピングセンターなどにおいて集客目的で行っているコンサートなどがこれにあたります。

4 コンサートを動画配信するのに許可は必要か?

一方で、コンサートで歌っている様子を動画にしてネット配信するとなると話は別です。

 テレビやネットで配信する場合には、仮に営利目的でなかったとしても、上記2の③例外にあたらないとされています。したがって、ご質問の件では、原則として著作者からの許可を取らなければなければなりません。

もっとも、一部の動画配信サイトでは、サイトとして著作権管理団体であるJASRACとの間で著作権の利用に関する包括的な契約を行っている場合があります。有名なところでは、YouTubeやニコニコ動画などの動画配信サイトでも、このような契約がなされています。このようなサイトにおいては、個人やサークルなどが非営利の目的で、既存曲(ただしJASRACが管理していない曲は除く)の合唱などの動画をアップロードしても著作権侵害の問題は生じません。

動画配信を行う場合には、利用する動画配信サイトがこのような契約を行っているかよく確認してみるとよいでしょう。

5 童謡やクラシック曲については著作権の期限切れの可能性がある

著作権が保護される期間は、著作者の死後70年に限定されます。したがって、昔から伝わる童謡やクラシック曲などは著作権のこの期間がすでに経過している場合もあります。

著作権が期限切れとなった著作物のことを「パブリックドメイン(PD)」といい、許可を得る必要などはなく、だれでも自由に使用することができます。どの曲がこれに該当するかはJASRACなどの団体のデータベースなどで調べることが可能です

素敵なクリスマスコンサートが開催できるよう、合唱する曲の選定や実施方法にあたっては、著作権侵害とならないか十分ご注意ください。
<回答者>
小仲 真介弁護士(大阪弁護士会 広報委員会)

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