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新型コロナ対策の特措法が改正された。そもそも「コロナ特措法」って何?

2021.03.02

ニュースで新型コロナ対策の特措法が改正されたと聞きました。この改正された法律について詳しく教えてください。

1.「コロナ特措法」って何?

テレビや新聞では「コロナ特措法」あるいは「コロナ対策特措法」などと報じられていますが、今回改正されたうち、メインとなる法律の正式名称は、「新型インフルエンザ等特別措置法」といいます。

この法律は、もともと平成21年に新型インフルエンザが流行したことをふまえ、国として新しい感染症に対する対策を行うために平成24年に施行されたものです。それが、このたびの新型コロナウイルス感染症(以下、「新型コロナ」といいます。)の流行のため、感染を防止するために実効的な対策を行うため法改正がなされました。
今回の改正では、特措法に加え、感染症法や検疫法などの法律についても併せて改正されております。本年2月13日に施行されており、現在はすでに改正法が適用されています。

2.改正のポイントは?

今回の改正の主要な点は次のとおりです。

(1)「まん延防止等重点措置」の新設
新型コロナの対策として、飲食店に対して時短営業などの協力要請を行う場合、これまでは国として「緊急事態宣言」が発出されていました(自治体が独自に協力要請する場合を除きます)。
改正法では、この「緊急事態宣言」以外に、「まん延防止等重点措置」(以下、「重点措置」)というものが新たに設けられました。

この重点措置は、緊急事態宣言が出されていない場合でも、宣言が出された場合とほぼ同様に、事業者に対し、感染防止のために必要な協力要請などを行うことができる仕組みとなっています。

(2)要請に応じない事業者に対する規制
緊急事態宣言が発出されても、時短営業の協力要請に応じない事業者も一部にはあったようです。行政としても、これまでは要請に従うように命令することまではできず、実効性としては十分ではありませんでした。

改正法では、緊急事態宣言や重点措置のもと、要請に応じない事業者があった場合に、行政として命令ができるようになり、命令を行う前提として立入検査などもできるようになりました。
また、命令に応じない事業者については、行政罰としての過料の規定も設けられました。

(3)感染者に対する規制
規制が厳しくなったのは、事業者に対してのみではありません。改正された感染症法では、新型コロナの感染者に対する規制も新たに設けられました。

まず、これまで患者に対して入院するように勧告ができたのは、ペストやエボラ出血熱など一類感染症と結核やジフテリアなどの二類感染症の感染者のみでした。それが、今回の改正法では、新型コロナの感染者についても、感染者が協力に応じない場合には入院勧告を行うことができるようになりました。
それ以外でも、保健所から感染者に対して行う調査についても、新型コロナウイルスの感染者について、調査に応じない場合には応じるよう命じることができるようになりました。
また、入院勧告に応じない場合や正当な理由なく調査を拒否するなどの場合には、行政罰として過料の規定も設けられました。

(4)海外からの入国者に対する規制
さらに、海外からの入国者に対する規制も強化されました。
これまでわが国としては、海外からの入国者に対し、自宅待機などの要請を行ってきておりましたが、これには法的な根拠がなく、応じない場合について実効性がありませんでした。

今回の改正法では、要請に応じない場合には措置をとることができ、措置に従わない場合には、刑事罰(1年以下の懲役または100万円以下の罰金)の対象となることになりました。
なお、これら規制は、海外在住者が日本を訪れる場合だけではなく、日本の居住者が海外から日本に戻ってくる場合も対象となりますのでご注意ください。

3.改正法によりどのように変わるの?

まず、今後においては、感染症の流行が拡大傾向になったとしても、直ちに「緊急事態宣言」は発出されず、その代わりにまずは「重点措置」が実施されると考えられます。「重点措置」のもとでも、飲食店などに対する協力要請などが可能だからです。

事業者においては、今後、時短営業などの協力要請に応じないと、過料(最大30万円)の制裁を受ける可能性があります。感染者においても、自宅待機の要請や保健所からの指示に従わなければ、やはり過料(最大50万円)の制裁を受ける可能性があるので十分に気をつける必要があります。

また、海外からの入国者について、入国者が措置に従わない場合には、行政罰ではなく、刑事罰の対象となる可能性があります。刑事罰とは、犯罪行為を行ったことに対する制裁であり、場合によっては逮捕、あるいは起訴されて刑事裁判にかけられるということもあり得ますので注意が必要となります。

<回答者>
小仲 真介 弁護士(大阪弁護士会)

相談内容:労働問題、経営問題、貧困問題、家庭問題、消費者問題、学校の問題、差別の問題等、新型コロナウイルスに関する法律問題全般

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