消費者被害(詐欺・悪徳商法)

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PL法に関するQ&A

消費者被害(詐欺・悪徳商法)に関しての相談例です。

PL法(欠陥)①

家のテレビから火が出て、火事になってしまいました。火事による損害をテレビのメーカーに請求できるでしょうか。

製造物責任法(PL法)に基づいて、メーカーに損害賠償請求できると思われます。 製造物責任法は、製造物に欠陥があって、その欠陥に起因して損害を被った場合に、その損害を製造者に請求することを認めています。 本件も、テレビ自体から発火して火事になったのであれば、本来発火してはならないテレビには「欠陥」があったといえる可能性が大きいと思います。ただ、「欠陥」の存否は、製品の使用状況や消防署の火災報告書の内容等を踏まえて十分に検討する必要がありますので、まずは弁護士に相談することをお勧めいたします。

なお、製造物責任法の対象となる製造物は、製造業者が平成7年7月1日以降に引き渡したものに限ります(ただ、これ以前に引き渡された製造物の場合であっても、民法の不法行為を理由として同様の損害を請求することも可能ですから、この点も含めて弁護士に相談されたらよいでしょう。)。

PL法(欠陥)②

コタツに入ってうたた寝をしていたところ、ズボンのポケットに入れていた携帯電話機が高温化して火傷をしました。火傷による治療費などの損害を携帯電話機のメーカーに請求できるでしょうか。

携帯電話も製造物責任法の対象となる「製造物」ですから、製造物責任法に基づいて、携帯電話の「欠陥」があったことを理由として欠陥によって発生した損害の賠償を請求することが考えられます。同様の事案で、メーカーの責任を認めた裁判例もあります(仙台高裁平成22年4月22日)。

PL法(食品)

買ってきた冷凍餃子を食べたら食中毒になってしまいました。この餃子は外国で作られ輸入されたものですが、輸入した会社に対し治療費等の損害を請求できるでしょうか。

製造物に欠陥があった場合に製造者に損害賠償請求できることを定めた製造物責任法(PL法)において、「製造者」には「輸入した者」も含まれます(同法2条3項)。これは、自己の意思により製品を国内市場に流通させた者として、製造業者と同様の責任を負うべきであること、及び被害者が外国のメーカーに対して直接損害賠償請求するのは困難であることを理由とします。

PL法(自動車)

自動車を運転していたところ、急にエンジンの回転数が上がりスピードが上がったため、前を走っていた車との追突を避けようとしてハンドルを切って電柱に衝突して怪我をしました。この事故による損害(治療費、修理代など)を誰かに請求できるでしょうか。

急にエンジンの回転数が上がったことが当該自動車の「欠陥」に起因するのであれば、製造物責任法に基づいて自動車メーカーに損害賠償請求できる可能性があります。 ただ、自動車は、購入後、一定期間ごとの保守整備が法令上義務づけられており、エンジンについての保守管理を長期間行わなかった場合や事故後点検をしなかった場合などは、自動車の「欠陥」ではなく「整備不良」が原因であると反論されることもありえます。
いずれにしても、自動車の欠陥の立証は困難な場合も多く、まずは弁護士に相談されることをお勧めいたします。
なお、仮に、事故直前に整備工場にて整備をしたのにエンジンの回転数が上がったような場合には、当該整備会社に対して責任を追及することも考えられます。

インターネット関係に関するQ&A

ワンクリック詐欺

携帯メールに送られてきたURLをクリックしたら,「登録完了いたしました。3日以内に3万円を下記口座に入金してください。」という画面が表示されました。支払わなければならないのでしょうか?

支払義務が生じるには、①ある商品(サービス)を3万円で販売するという趣旨の表示があり、②その表示内容に同意した上で申込みをする(クリックする)、という手順が必要です。商品(サービス)の内容や金額について何の表示もなく、単に「今すぐクリック!」等の表示を見てクリックしただけでは、代金の支払義務は発生しません。

誤入力(錯誤)

ネットショップで1個注文するところを,誤って「10個」と入力して送信してしまいました。10個分の代金を支払わなければならないのでしょうか?

「錯誤無効」の主張ができる場合があり、これが認められれば、10個分の代金を支払う必要はありません。
但し,10個と入力して送信ボタンを押す前に「この内容で宜しいですか?」という画面が表示されていた場合のように,意思確認の措置がとられていた場合には,例外的に,10個分の代金を支払わなければならないことがあります。例外に当たるか否かは,「重大な過失」があるかによって決まり,「重大な過失」が認められる場合は10個分の代金を支払わなければなりません。通常のネットショップの場合,意思確認の画面が表示される措置がとられていることが多く,「重大な過失」が認められてしまう場合もあります。

もっとも,詐欺的なサイトの場合には,別の理由で支払いを拒むことも可能ですので,別途,弁護士にご相談ください。

ネットオークション

ネットオークションで商品を落札して,代金も送金しましたが,商品が送られてきません。どうすればよいですか。

買主側は代金を支払っているのですから,売主側は商品を送らなければなりませんが,送ってこない以上,売買契約における売主の義務を果たしていないことになります。そこで,買主としては,売買契約を解除して代金の返還を求めることとなります。その方法としては内容証明で解除の意思表示をし,代金返還の催告書を送るというものが考えられます。また,裁判所を利用する方法のうち,簡易な方法としては,少額訴訟・支払督促等が考えられます。もっとも,それがオークション詐欺であった場合には実際に相手方を特定して被害回復をすることは難しいのが現状です。そこで,現在,大手のオークションサイト開設業者では,詐欺に遭った場合,詐欺の被害額を補償してくれる「補償制度」を用意していることがあります。ただし,この補償制度も全額の補償はなされないのが通常で,また,補償が適用されない場合もありますのでご注意ください(詳しくは,各業者の補償規定をご確認ください)。
このようなトラブルに巻き込まれないためには,オークションサイト開設業者が公開するトラブル口座リストを事前に確認することや,高価な商品の場合にはエスクローサービス(出品者と落札者との間に業者が入り,落札後にお金と商品の受け渡しを変わりに行う)等を利用するなど,自身での対策も必要です。

インターネット取引,返品

インターネットの通信販売で靴を買い,さっそく履いてみたのですが,サイズが合いませんでした。今から返品できるでしょうか。

インターネットの広告の中に,「返品できます。」という記載があった場合,そこに書かれた条件(返品できる期間,送料を誰が負担するか。)にしたがって靴を返品することができます。
一方,「返品できません。」という記載があった場合は,返品をすることができません。また,「使用後は返金できません。」という記載があった場合は,使用前であれば返品できることになります。

このような記載がなく,返品できるかできないかが広告から読み取れない場合は,靴を受け取った日から起算して8日間は,契約を解除することができます。また,「返品できません。」という表示がインターネット上のページにあったとしても,見やすい箇所に明瞭に判読できるように表示されていない場合も(詳しくは経済産業省の「通信販売における返品特約の表示についてのガイドライン」にあります。),同じく解除することができます。この場合,靴の返送に要する費用は,消費者であるあなたが負担しなければならないことになります。

ドロップシッピング

ある会社のホームページをみて連絡したら,電話がかかってきました。その会社から「ホームぺージを作成して商品の販売をしませんか。商品の注文を受けてこちらに連絡してもらえば,商品はこちらからお客さんに直接届けます。あなたがお客さんに売った金額とこちらから仕入れる金額の差額があなたの利益になります。1ヶ月で50,60万円も利益を出す人もいますし,ホームページの作成料くらいすぐに取り返せますよ。」と勧誘されました。こんなうまい話はあるのでしょうか。

当然,こんなうまい話はありません。本件はいわゆるドロップシッピングと呼ばれるものですが,苦情が多く,問題になっています。 実際にある他のトラブルとしては,一日数分の作業で月○○万円の収入になると勧誘を受けたが実際にそのような収入を得ることができない,商品の仕入額が当初の説明と異なる,仕入れることができると言われていた商品を仕入れることができない,ホームページがネットで検索上位に出るようにする(SEO対策)という説明を受けたがそのようにならない,などの事例が報告されています。

もし,実際にホームページの作成料などを支払ってしまった場合には,業務提供誘因販売取引(作業をすることによって収入を得ることを目的に,その作業をするために必要な商品の売買契約をすることが典型例)として,契約をクーリング・オフし,支払った代金を取り戻せる可能性がありますし,勧誘行為の違法性などを理由に支払った代金を取り戻せる可能性がありますので,弁護士にご相談下さい。

デート商法

ネットで女性と知り合い,「会いたい」と言われて一度会いました。すると,その女性から「あなたに似合う革ジャンがある」と店に連れて行かれ,断りきれずに革ジャンを5万円で買いました。しかし,後からこんな革ジャンを買うべきではなかったと後悔しています。どうしたらいいでしょうか。

本来の販売目的を隠して接触し,異性への恋愛感情などを利用して契約を締結させる商法を「デート商法」といいます。 本件は,このデート商法に該当するケースです。このケースでは,ネットで知り合った女性から最初は「会いたい」と誘われ,結果的に店まで連れて行かれたものですが,特定商取引に関する法律では,販売目的を隠して店舗に連れて行き契約の勧誘をする場合には,「訪問販売」として同法の規制の対象になるとされています。
そこで,あなたはクーリング・オフにより契約を解除することができます。訪問販売におけるクーリング・オフ期間は8日間ですが,法定の記載事項を満たした書面を受領していない限りクーリング・オフ期間は進行しません。事業者から受け取った書面には不備が認められることもしばしばあり,必ずしも法定の記載事項を満たしているとは限りませんので,単に契約日から8日以上が経過したことだけでは諦めないで下さい。
クーリング・オフが成立すると契約は解除され,事業者は,あなたから受け取った代金を返還する義務を負いますので,これにより支払った代金を取り戻すことができます。但し,あなたも受け取った商品を事業者に返還する義務はあります。

インターネット出会い系サイト・クレジット決済

インターネットの出会い系サイトに登録をしていましたが、「会って話を聞いてくれたら御礼に500万円を差し上げる」など「会ってくれたら、お金をあげる」という内容のメールがいろんな人から次々と届き、私はそれらの人と出会うために、次々とメールをするためのポイントをクレジットカード決済で購入してメールを続けましたが、実際に会う約束をしても全て破られ、結局メールの相手とは一度も会うことができず、高額のポイント購入代金のクレジットの支払が残ってしまいました。最初から会う気も、お金をあげる気もないのに、私に嘘のメールを送って、ひたすらポイントを購入させたのだと思いますが、このような場合にもクレジットの支払をしなければならないのですか。

このようなケースは、嘘のメールを送った人が出会い系サイト業者の関係者(サクラ)である可能性が非常に高く、出会い系サイト業者の関係者が、あなたにメール交換のためのポイントを利用・購入させることを目的として、サイト利用者になりすまし、詐欺的なメールを送りつけてきている可能性があります。サイト業者の関係者がこのような目的でメールを送りつけ、メール交換のためのポイントを購入させる行為は詐欺に該当する可能性がありますので、クレジット会社に対しては、事情を説明した上で、クレジットの支払を拒絶し、クレジット会社を通じてサイト業者に対しポイント購入の契約とクレジット決済をキャンセルしてもらうように交渉するべきでしょう。

悪質商法・不当取引に関するQ&A

マルチ商法

友人から「絶対儲かる話がある」と誘われ、セミナーに参加したところ、組織に入会してサプリメントを購入し、人を紹介すれば、月々10万円稼げるとしつこく勧誘され、サプリメントを購入する契約を締結しました。その後、友人を誘ってみましたが、組織に入会してもらえず商品も売れません。契約を解除することはできますか。

商品代金や登録料を支払って販売組織に参加し、その後、新たに参加者を獲得し、商品やサービスなどを販売して報奨金を得る取引(いわゆるマルチ商法・ネットワークビジネス)は、「特定商取引に関する法律」で「連鎖販売取引」として規制されており、事業者から契約書面を受け取った日か商品を受け取った日の遅い方から20日間以内であれば、クーリング・オフにより契約関係を解消することができます。クーリング・オフの方法、既に支払った金員の返還請求など、まずは弁護士にご相談下さい。

マルチ商法,ネットワークビジネス

友人から「特殊な会計用のパソコンソフトのネットワークビジネスの会員にならないか。最初に5万円が必要だが,新入会員を5人集めればあとは毎月10万円が確実に入ってくる。」と誘われて会員になりましたが,会計用のパソコンソフトは必要ないですし,新入会員もなかなか集まりません。会員を辞めるにはどうしたらいいでしょうか。

これらは特定商取引に関する法律の連鎖販売取引の規制を受けることになります。ネズミ講と異なり,連鎖販売取引自体は禁止されていませんが,非常に厳しい規制があります。
契約時に法律で定められた事項が記載された書面(契約書面)が交付されていなければなりませんし,契約書面が交付されていても消費者は20日間はクーリング・オフを主張して契約を解除できます。

消費者が,クーリング・オフによる解除をすると,業者は,契約の解除に伴う損害賠償や違約金の支払を請求できず,商品の引取り費用も負担することになります。業者はすでに支払われた代金・取引料を返還し,消費者は受領した商品を業者に返還することになります。また,20日間が経過してしまっていても,連鎖販売業を行う者が,消費者に対して事実と違うことを言ったり威迫したことにより,消費者が誤認・困惑してクーリング・オフしなかった場合は,20日間が経過していてもクーリング・オフできます。
さらに,連鎖販売取引では,一見するとクーリング・オフができない場合でも,中途解約権や嘘のことを告げられて契約を締結した場合等には特定商取引に関する法律や消費者契約法の取消権を主張できる場合があります。

中途解約権によって,連鎖販売契約を締結して組織に入会した消費者は,クーリング・オフ期間経過後も組織加入契約も特定負担の契約のいずれも将来に向かって解除できます。違約金の制限規定も置かれていますので,事業者は法外な違約金を消費者に請求することはできません。
また,次の①から⑤の条件を満たせば,連鎖販売契約の中途解約に伴い,商品販売契約も遡って解除(返品)できます。

①入会後1年を経過していないこと
②引渡を受けてから90日を経過していない商品であること
③商品を再販売していないこと
④商品を使用または消費していないこと
⑤自らの責任で商品を滅失または毀損していないこと

以上のように,契約書面は交付されているのか,どの時点で会員を辞めるのか,商品販売契約はどうなっているのか,契約時にどのような勧誘がなされていたのか等により,クーリング・オフ,取消権,中途解約等いろいろな方法で契約を解消することが考えられます。

内職商法,サイドビジネス商法

「自宅で簡単にできる副業」というチラシを見かけ電話をかけました。業者からは,「こちらから送るデータを自宅のパソコンに入力する仕事を回します。ただ,入力作業には30万円の専用ソフトを使ってもらう必要があります。毎月10万くらいの収入になりますので,専用ソフト代はクレジット分割払いにすれば十分もうけになります。」と勧誘され,30万円の専用ソフトも買いました。しかし,入力データに1つでもミスがあると業者は「ペナルティー」といってお金を払いません。騙されたとしか思えませんが,どうすればいいでしょうか。

これは内職商法やサイドビジネス商法と呼ばれるもので,特定商取引に関する法律の業務提供誘引販売にあたります。仕事を回すというのは口実で,実際には専用ソフトを高額で売ることが業者の目的であったりします。
まずは業者から受け取った書面を確認してください。業務提供誘引販売の場合,業者はあなたに,契約をする前に,概要書面という業務提供誘引販売業の概要を示した書面を渡さなければなりません。また,契約をしたときは,業者はあなたに,契約書面という契約内容を明らかにした書面をすぐに渡さなければなりません。あなたが契約書面を受け取ってから20日以内であれば,あなたは契約をクーリング・オフすることができます。

あなたが契約書面を受け取っていなかったら,あなたはいつでも契約をクーリング・オフすることができます。また,「毎月10万円くらいの収入になります」という業者の言ったことは嘘ですし,「入力データに1つでもミスがあるとお金を払わない」とは契約のときに言っていませんでしたので,あなたがだまされたと知ってから6ヶ月以内であれば,あなたは契約を取り消すことができます。あなたが契約をクーリング・オフしたり取り消したりしたことを,クレジット会社に伝えることで,あなたはクレジット会社への支払を止めることができます。
また,クレジット会社との契約の内容によっては,クレジット会社との契約をクーリング・オフしたり取り消したりすることで,あなたがこれまでにクレジット会社に支払った分割払いの代金を返してもらうこともできます。

送り付け商法

知らない業者から突然自宅にカニが送られてきました。私の費用負担で3日内に返送しなければ5万円で購入したとみなします,という文書も同封されていました。返送をしないと買ったことになってしまうのでしょうか。

契約をしていないのに商品を送りつけてくるケースを「送り付け商法」といいます。業者が一方的に条件を指定してきていますが,これに拘束されるいわれはありません。商品のカニが到着してから14日が経過しても業者が引き取らない場合や,消費者側から業者に引き取るよう求めたのに7日が経過しても引き取らない場合は,そのカニを自由に処分(食べる,捨てるなど)してよく,代金を支払う必要もありません。ただ,この14日間や7日間が経過するまでは勝手に処分できず,そのまま保管しておく必要がありますので,ご注意下さい。

霊感商法

ある人から,「あなたには悪い霊が憑いている。このままでは不幸になる」などと言葉巧みに誘われ,運気を向上させるという印鑑を30万円もの値段で買う約束をさせられてしまいました。お金の支払を拒むことはできないでしょうか。

いわゆる霊感商法であっても,通常の取引と同様,民法や特定商取引法の適用を受けます。ですから,勧誘の態様により,民法上の詐欺や強迫による契約取消の主張や錯誤無効の主張が可能です。また,商品があまりに高額な場合には公序良俗違反による無効主張も可能です。さらに,訪問販売等により指定商品(印鑑等)を購入させられたような場合には,クーリング・オフの主張も可能です。

クレジットカードの現金化

生活費が足りなくて困っていたとき、「クレジットカードで現金化する」という業者を紹介されましたが、どのような内容でしょうか。後でトラブルに巻き込まれることはないでしょうか。

「クレジットカードの現金化」とは、例えば、価値のない商品を高額でクレジットカードで購入させ、金融業者が手数料を引いた上で、その商品と手数料を引いた残りの現金を利用者に渡すという方法や、現金化の店舗から指定された商品を購入し、それを現金化のお店に買い取ってもらうという方法です。
このようなクレジットカードの利用方法は、規約などで禁止されており、カードの利用を停止されたり、詐欺罪などの犯罪に該当する危険があるだけでなく、実体としては、違法な金融業者(闇金等)から借金をするのと同じことです。なぜなら、上記の方法は、金融業者が高額な手数料(金利)を差し引く反面、利用者はクレジットカード会社に額面どおりの金銭を返済するというものであるからです。現在、クレジットカードの現金化を規制することが政府で検討されているところです。
クレジットカードの現金化には決して手を出さず、また、既に利用された方も、一度弁護士にご相談ください。

パチンコ攻略法詐欺

パチンコ攻略雑誌の広告を見て、打ち子募集やパチンコ攻略情報を申し込んで、業者の指定する費用を支払いましたが、何の効果もありませんでした。業者のやり方は詐欺だと思うのですが、支払った代金を取り戻すことはできないでしょうか。

パチンコ攻略法を購入した場合、そもそも存在しない攻略法を売りつけられたということで詐欺取消ができたり、「絶対に儲かる!」等と言われて契約した場合にはそのことを理由に契約を取り消したり、勧誘の方法によってはクーリング・オフできる場合があります。これらの手段により、契約をなかったことにして、すでに支払った代金を取り戻すことができます。ただ、実際には、悪徳な業者は返金を拒んだり、そもそも業者が存在していなかったり、すでに会社をつぶして逃げてしまっていたり、すでに支払った代金を簡単には取り返せない場合もあります。また、業者の広告を載せていた雑誌などの広告媒体を発行している出版社やその広告を作った広告代理店に対する損害賠償請求を認めた事例もあります。 広告の内容など具体的な内容を踏まえて個別に検討する必要がありますので、まずは弁護士へご相談ください。

口座凍結

振り込め詐欺など悪質商法の被害に遭ったとき、自分が振り込んだお金を早急に返してもらうため「口座凍結」という方法があると聞きました。「口座凍結」とは、どのような方法ですか。

「口座凍結」の方法は、「振り込め詐欺救済法(犯罪利用預金口座等に係る資金による被害回復分配金の支払いに関する法律)」に規定されています。振込詐欺に限らず、ヤミ金融など広く「口座を利用した犯罪」が対象です。金融機関は、警察などからの情報提供により、ある口座が犯罪に利用された口座である疑いがあると認めた場合にその口座を凍結します。その後、凍結口座の名義人の権利を消滅させる手続きを経て、口座に残されたお金を被害者に分配する手続に入ります。犯罪者が口座からお金を出してしまうと、このような手続を利用することも叶わなくなりますから、速やかに捜査機関や弁護士にご相談ください。

電話機・ホームページのリース契約

自宅兼店舗に来たセールスマンから勧誘を受け、高機能ビジネスホンとパソコンソフトのリース契約をしました。しかし、電話機が使えなくなるというのは嘘だと分かりました。リース料の支払をやめることはできないのでしょうか。

リースの対象となっている電話機、ソフトやパソコン等の物件が、事業との関連性・必要性が低い場合には、リース契約をクーリング・オフできる場合があります。まずは弁護士にご相談下さい。

フランチャイズ契約

ある事業者から,「うちの加盟店になれば,必ず儲かる」と強く勧誘されてフランチャイズ契約を締結し,多額の加盟金を支払いましたが,説明内容に反して客は集まらず,全く儲かりません。本部に対して,契約を解消し加盟金も返してほしいと申し出ましたが,取り合ってもらえず,かえって違約金を請求されてしまいました。どうすればよいのでしょうか。

フランチャイズ契約は,本部(フランチャイザー)が加盟店(フランチャイジー)に対して経営ノウハウ等を提供し,加盟店がその見返りにロイヤルティー等の対価を支払うという契約形態です。
本部からの勧誘行為において十分なリスク説明や売上予測がなされていなかったり,契約締結後に加盟店側からの対価に見合うようなノウハウ提供等がなされていなかったような場合には,本部側の債務不履行や錯誤無効など,民法上の主張により契約関係を解消することができますし,あまりに高い違約金の規定については公序良俗に反して無効であるとの主張も可能です。

また,加盟店の側に消費者性が認められる場合には,消費者契約法や特定商取引法による保護が受けられる可能性があり,契約のクーリング・オフ等もできる余地があります(本部の側からは,フランチャイズ契約の場合は加盟店も事業者であるので,消費者ではないと主張してくることが考えられますが,もともと同種の事業に関与していない人が,本部側からの強い勧誘により契約締結に至ったような場合には,消費者問題の一つとして把握することが可能です)。特に,フランチャイズ契約が名目だけのものであり,加盟店に設備費等の名目でお金を支払わせるのが主たる目的であると言えるような場合には,特定商取引法上の「業務提供誘引販売取引」として,クーリング・オフ等の対応が可能です。
なお,フランチャイズ契約を事業者間の問題であると考えるとしても,本部が力関係の差を利用して不当な条件を押し付けてくるような場合は,独占禁止法違反の問題として公正取引委員会に申告すること等が可能です。

景表法

ある大手スーパーの広告の内容が虚偽であることが分かりました。是正させたいのですが,どうすればよいですか。

広告内容に虚偽がある場合としては,例えば,商品の原料の産地が実際と異なる場合・地域最安値と書いてあるが実際にはそうでなかった等の事例が考えられます。これらは,景品表示法の優良誤認・有利誤認に該当する可能性があります。
是正させるためには,消費者庁(表示対策課景品・表示調査 TEL 03-3507-8800(代)) などに申告を行って下さい。該当部署が調査を行い,景品表示法に違反する行為が確認されれば,注意・警告・排除命令等の処分がなされます。

独占禁止法

ある町の同業者が,一時期にそろって同様の商品の値上げをしました。カルテルが行われていると思うのですが,消費者の立場で何かできますか。

公正取引委員会に相談・申告を行うことが考えられます。公正取引委員会が調査を行い,カルテルの事実が確認できれば,公正取引委員会が排除命令等の処分を行うことになります。

株式・金融商品に関するQ&A

未公開株

「半年後には東京証券取引所に上場して値段が上がること間違いなしです。」と言われて勧められるまま株を購入しましたが、いくら待てども上場の知らせが来ません。また、新株予約権付社債をもっていれば上場したときに利益が出ると言われてその社債を買いましたが、いくら待てども上場の知らせが来ません。どうしたらいいのでしょうか。

証券取引所に上場する予定もないのに、近い将来上場する株であるという触れ込みで株式を高額で買い取らせるという商法が横行しています。新株予約権付社債を買い取らせるという手法も見られます。このような商法は明らかに詐欺であり、損害賠償請求を行う必要があります。しかも、販売業者は株を売るだけ売って行方をくらます場合もありますので、早急に賠償請求を行うことが大切です。

商品先物取引

金の相場が上がっているから取引をしませんかという突然の電話勧誘を受け、取引を申し込みましたが、相場が下がって、預けたお金が返ってこなくなりました。どうしたらよいでしょうか。

不当・違法な先物取引の勧誘である可能性が高いです。商品先物取引とは商品(=金、銀、原油、ガソリン、大豆など様々あります)の授受を実際にしなくてもその売買取引を行えるというものです。少額の元手で多額の取引を行うものですので、わずかの相場変動で大きな損害が生じ、素人顧客には全く不向きです。先物取引業者が、消費者に知識や経験がないことにつけ込み、不当な勧誘を行ったとして損害賠償を命じられた裁判例は多数あります。
また、訪問や電話によって先物取引の飛び込み営業をすること(不招請勧誘)は法律で禁止されています。
先物取引業者の勧誘が不当な場合は損害賠償請求できる場合がありますが、示談交渉の方法が分からなかったり、業者が示談交渉に応じないこともありますので、その場合はご相談下さい。

金融商品

証券会社に株を預けていると頻繁に電話がかかってきてたくさんの取引をさせられました。途中で信用取引も勧誘され、信用取引も始めました。損がたくさん出ているようですが、どうしたらよいでしょうか。

過去の裁判例においては、証券会社が手数料目当てに、顧客の意向や実情に反する過当な取引(頻繁売買)を勧誘したとして証券会社に損害賠償を命じたものが少なくありません。
また、信用取引では少額の元手で多額の取引を行いますので、頻繁売買による被害も深刻になりやすいといえます。
証券会社の勧誘が不当な場合は損害賠償請求できる場合がありますが、示談交渉の方法が分からなかったり、証券会社が示談交渉に応じないこともありますので、その場合はご相談下さい。

外国債券(予期せぬ株価下落)

銀行に勧められて非常に利息のいい外国債券を購入しましたが、「株価が下がりましたので満期には元本の4割しか償還できない。」と言われました。こんなことになるとは全く予期していませんでしたが、仕方がないのでしょうか。

利息がいい債券であっても、特定の銘柄の株価や日経平均株価の動きなどにより元本が目減りする仕組みの商品(仕組債)があります。同種商品として、株式で償還されるものもあります(EBと呼ばれます)。
このような仕組債は、株や一般的な債券と異なって流通市場がなく、一度買ってしまえば満期までの株価変動に運命を委ねざるを得ないという側面があります。このようなことから、裁判例では「賭博性の高い商品」と認定したものもあります。
しかし、実際の販売現場では、その仕組みやリスクについての説明が不十分なまま販売されている例が見られます。また、生活資金や老後資金を投じさせられるなど、顧客の意向や実情に反する勧誘も見られます。
このような場合は損害賠償請求できる場合がありますが、示談交渉の方法が分からなかったり、銀行が示談交渉に応じないこともありますので、その場合はご相談下さい。

外国債券(説明違い)

証券会社に勧められて非常に利息のいい外国債券を購入しましたが、購入後3年目からの利息は円相場に左右されるという条件が付いており、円高になると利息がほとんどつかなくなりました。また、説明書には満期は30年後となっていたものの、営業マンからはこれまでの実績からすれば3,4年で償還されますとの説明を受けました。購入してからもう4年が立ちますが、まだ償還はなく、営業マンに見通しを聞いても、「全くわかりません。」の一点張りで困っています。こんなことになるとは全く予期していなかったが、仕方がないのでしょうか。

当初の一定期間は利息がいい債券であっても、その期間経過後は円相場の動向に利息が連動し、円高になれば利息が極めて少なくなる仕組みの商品(仕組債)があります。満期は30年後などの長期で設定されていますが、それ以前に償還される可能性もありますとの条件設定がされています。このような仕組債は、株や一般的な債券と異なって流通市場がなく、一度買ってしまえばそれ以降の円相場に運命を委ねざるを得ないという側面があります。
しかし、実際の販売現場では、その仕組みやリスクについての説明が不十分なまま販売されている例が見られます。また、30年も資金が塩漬けにされる危険性があるにもかかわらず、生活資金や老後資金を投じさせられるなど、顧客の意向や実情に反する勧誘も見られます。このような場合は損害賠償請求できる場合がありますが、示談交渉の方法が分からなかったり、銀行が示談交渉に応じないこともありますので、その場合はご相談下さい。

ファンド

あるファンドの出資証券をもっていれば高値で買い取るという電話がありましたので、そのファンドに電話をして出資証券を買いました。しかし、買い取るといっていた業者に連絡がつかなくなりました。どうしたらいいでしょうか。

出資証券を発行するファンドとその出資証券を買い取るという業者が共謀し、ほとんど価値のない「出資証券」を高値で買い取らせるという商法が横行しています。出資証券を購入しても利益配当はないか、あったとしても微々たるもので、元本償還時には大幅な損害が発生します。場合によっては、そのファンドの連絡先が分からなくなり、出資金全額が損害となる場合もあります。
このような商法は明らかに詐欺であり、早急に損害賠償請求を行う必要があります。

契約の中途解約・前払金の返還に関するQ&A

入学金・授業料の返還請求

第2希望の大学へ入学金と前期分の授業料を納めた後、第1希望の大学から合格通知が来ました。先に納めた入学金と前期分の授業料を返してもらうことはできないでしょうか。

最高裁判所の裁判例に基づいて考えると、入学金は、原則として返還してもらうことはできませんが、前期分の授業料は、学生が大学に入学することがほぼ確実に予想される4月1日より前に入学を辞退した場合には、全額返還してもらうことができ、同日以降の入学辞退の場合は、返還してもらえないことになると考えられます。ただ、個々の事案に即して検討する必要がありますので、まずは弁護士にご相談下さい。

英会話学校の中途解約,精算

近所の英会話学校の1年コースに入り,授業料1年分24万円を全額支払いました。3か月が経ち,仕事の都合で急に引っ越さなければならなくなり,英会話学校を辞めざるをえなくなりましたが,支払い済みのお金は返ってこないのでしょうか。これがスポーツクラブの場合はどうなりますか。

本件は,契約期間が2か月を超え,支払額も5万円を超えていますので,特定商取引に関する法律の特定継続的役務提供にあたり,中途解約権が認められています。その際,支払済みの代金についても,特定商取引に関する法律の定めるルールに沿って精算されます。
本件のように英会話学校のサービス提供が始まった後の場合は,まず,支払い済みの24万円から,①それまでに受けた授業の対価に相当する額が差し引くことが認められています。授業料は1年分で24万円ですので,1か月当たりは2万円となり,これを3か月受講したので,6万円が差し引かれます。

次に,英会話学校との契約の中に,中途解約した場合に違約金を請求するという定めがある場合は,②違約金5万円又は契約残額の20%の低い額を上限として,支払済みの24万円から差し引かれることになります。ご相談のケースにおいて,違約金の定めがあるか否か,定めがあるとしてもいくらなのかによりますが,差し引かれる上限は3万6000円(契約残額18万円の20%である3万6000円の方が,5万円よりも低額)となります。
以上により,中途解約時に最低でも返還されるべき金額は,24万円-(6万円+3万6000円)=14万4000円となります。
他方,スポーツクラブの場合は,特定継続的役務提供にあたりませんので,特定商取引に関する法律の定める中途解約権や精算ルールは適用されません。スポーツクラブとの契約の中に中途解約の規定がなければ,すぐに中途解約は認められません。もっとも,違約金については,スポーツクラブであっても消費者契約法9条1項の適用があり,平均的損害を超えた違約金等を請求することができないとされています。議論があるところですが,特定商取引に関する法律の精算ルールに沿って計算した金額が解決の基準になると考えられます。

商品購入と無償サービス

無料の添削指導付きの学習教材を勧められて購入しましたが,子供は添削指導では勉強に身が入らず,塾に通わせることにしたいと考えています。契約書などは訪問販売に関する様々な注意書きがありますし,契約からすでに3か月以上が過ぎています。学習教材のお金は全然戻ってこないのでしょうか。

本件は,「特定継続的役務提供」として,クーリング・オフができる可能性があります。
すなわち,今回の学習教材は「添削指導付き」ですので,この添削指導が特定継続的役務提供の一つである「在宅学習」にあたり,「学習教材」がその「関連商品」にあたるとみることができます。特定継続的役務提供である添削指導は無料となっていますが,関連商品が有償であり,両方の合計の支払額が5万円を超えれば,特定商取引に関する法律の「特定継続的役務提供」の規定が適用されます。したがって,今回のケースでは,概要書面と契約書面に「特定継続的役務提供」として法令で決められた事項が記載されていなければなりません。これらの記載に欠けるところがあれば,契約から3か月が経過していてもクーリング・オフができる可能性がありますので,書面をもう一度よく確認することが大切です。

有料老人ホームの入居金に関する不返還合意

介護付有料老人ホームに入居する契約を締結した後、入居契約を解除することになりましたが、入居時に支払った権利金・入居一時金の返還を、不返還合意・償却合意に基づき拒否されました。合意した以上、返金を受けることは出来ないのでしょうか。

厚生労働省は、「有料老人ホームの設置運営標準指導指針について」という通知において、契約締結日から概ね90日以内の契約解除につき、原則として既受領の一時金の全額を利用者に返還することを定めていますが、有料老人ホームの入居契約に関するトラブルは、近時増加傾向にあります。
老人ホームの「終身権利金」については、老人ホームにおいて各種サービスを受ける地位を取得するための対価である以上、性質上、老人ホームが返還義務を負うものでないと判断した裁判例があり、「入居一時金」の償却合意について、入居一時金が消費された後に入居契約が解除され、あるいは失効しても、性質上、老人ホームは本件入居一時金の返還義務を負わないと判断した裁判例もあります。但し、「終身権利金」、「入居一時金」などの「不返還合意」・「償却合意」は、単にその名称のみからではなく、具体的内容を踏まえて個別に検討する必要があります。まずは、弁護士にご相談下さい。

保険に関するQ&A

告知義務違反

保険会社に対して保険金を請求したところ,保険会社から,告知義務違反だから支払をすることはできないと言われましたが,納得がいきません。保険金を支払ってもらうことはできないのでしょうか。

告知義務は,保険法において,保険契約者または被保険者が,契約締結に際し,保険会社に対し,①危険に関する②重要な事項のうち③保険会社が告知を求めたもの(告知事項)について告げるべき義務と定められています。
告知義務に違反すると,保険会社は,これを理由として,保険契約を解除することができ,解除前に発生した保険事故について,保険金の支払義務を免れることになり,また,既に支払済みの保険料も返還されないことになります(但し,生命保険の約款では,解約返戻金を支払う旨の定めがなされている場合があります。)。
そのため,いざという時のための保険であるにもかかわらず,それまで保険料を支払ってきていながら,保険金の支払がなされないという事態になってしまいます。

しかしながら,保険会社が告知義務違反を理由として契約を解除するためには,告知義務者が告知事項(上記3要件)につき不告知・不実告知をしたこと,告知義務者の悪意・重過失が必要です。また,保険会社が告知事項にかかる事実について了知し,あるいは,過失によって知らなかった場合,保険媒介者による告知妨害,不告知・不実告知の教唆があった場合,保険会社が解除原因を了知してから1か月あるいは契約締結から5年を経過した場合には,保険契約の解除は認められません。
告知義務違反を理由とする解除については,その他にも,保険法において,また,約款において,様々な要件が定められているところです。 したがいまして,保険会社から告知義務違反を理由として保険金の支払を拒絶された場合には,告知義務違反を理由とする解除の要件を充たしているか否かを一つ一つ慎重にチェックする必要があります。

責任開始前発症不担保条項

病気で入院し,高度障害状態になったので,生命保険の高度障害保険金と,損害保険会社の入院保険金を請求したところ,責任開始前発症にあたるとして支払を拒絶されました。この様な場合,保険金請求はできないのでしょうか。

責任開始前発症不担保条項(契約前発病不担保条項、始期前発病不担保条項)とは,『保険期間開始後に発病した疾病を保険事故の対象とする』旨の約款条項であり,保険期間開始前に発病していた疾病を保険事故から除くことで,保険事故の予定発生率を維持する目的でおかれているとされています。しかし,約款によって契約者に有利な不可争期間が定められていたり,逆に不利益となる待機期間の定めがあったり,また,保険事故の内容が発病ではなく,確定診断とされている場合などがあり,保険金請求の可否の判断にあたっては,約款内容の詳細な確認が必要になります。また,保険法の制定に伴って,各社の責任開始前発症不担保条項に関する約款が,保険契約者側に有利な方向でかなり変更されており,しかも約款変更前の契約にも適用するとされている場合が多いので注意が必要です。

他保険の告知義務

保険事故(入院,火災等)が起こったため加入している保険会社数社に対して保険金の請求をしましたが,他の会社の同じ種類の保険に入っていることを告知・通知しなかったことを理由に,保険金の支払いを拒否されました。保険金は支払ってもらえないのでしょうか?

他保険契約の告知義務・通知義務とは,保険契約者または被保険者に対し,保険契約の締結時に当該保険契約が対象とする危険と同様の危険を対象とする他の保険契約の存在を保険者に告知させ(告知義務),また,保険契約締結後に当該保険契約が対象とする危険を対象とする保険契約を締結する場合にはこの事実を保険者に通知させる(通知義務)制度をいいます。この制度は,各契約の約款に定められている場合がありますが,この義務違反を理由に契約を解除し,保険金を支払わないとするには厳しい要件を満たすことが必要です。具体的には,当該事案において他保険の存在が「危険に関する事項」に該当するか,保険者と契約者との信頼関係を損ない保険契約の存続を困難にすると評価できるか否か,等の要件を検討することになりますが,これらの判断には専門知識が必要となります。 上述したようにこれらの要件は厳格で,保険金が不払いとなるケースはそう多くありません。もし,ご自身のケースで気になることがございましたら弁護士までご相談下さい。

受取人の変更

私が契約している生命保険の死亡保険金受取人を親族から親しい異性に変更できますか?

原則として変更できます。
生命保険会社に保険金受取人の変更を通知し、同社が通知を受け取れば、通知の発信時から保険金受取人は変更されていたことになります。ただし、約款で保険金受取人が相続人に限定されている場合がありますが、その場合は、親しい異性に変更はすることはできません。また、約款で保険金受取人の変更に生命保険会社の承諾が必要とされている場合がありますが、その場合は、生命保険会社が承諾しないことがあります。

死亡保険金受取人変更

遺言を書けば死亡保険金受取人を変更できますか?

保険契約者は遺言でも保険金受取人を変更できます。保険契約者と被保険者が異なる場合は、被保険者の同意が必要です。

死亡保険受取人変更の通知

保険会社に知らせないといけないのですか。

はい。遺言による保険金受取人の変更の事実は、相続人が保険会社に知らせる必要があります。この通知が遅れて、保険会社が変更前の保険金受取人に支払ってしまうと、変更後の受取人は保険会社から保険金を支払ってもらえなくなります。後は、不当利得の問題となり、変更前の保険金受取人に保険金の返還を請求することになります。

保険会社への通知

遺言を書くときに気をつけることはありますか。

民法で定められた遺言の要件を満たす必要があります。また、遺言の記載内容によっては、保険金受取人の変更とみなされない場合がありますので、専門家にご相談下さい。大阪弁護士会にも遺言・相続センターが設置されていますので、お気軽にご相談ください。

遺言書

妻を被保険者にした死亡保険で保険金の受取人を妻に内緒で借金先に変更できますか?

被保険者の同意が必要ですので、妻に内緒では変更できません。
また、約款で変更が制限されていればその制限に反する変更はできません。

盗難事故

自宅のカーポートに駐車していた自動車(盗難防止装置搭載)が盗まれてしまいました。車両保険に入っていたので保険金を請求したところ、ほんとうに盗まれたかどうか疑念が残る点があるので保険金は支払えないといわれました。納得できません。

「事故」があったのか自体がわからないときには、保険加入者側が、最終的に「事故があった」と証明できないと、保険金の請求は認められません。また、「事故」があったと認められても、事故が故意に起こされた場合にも保険金請求は認められません。もっとも、保険会社側が最終的に「故意だ」と証明できなければ保険金請求は認められます。
車両保険の盗難事故の場合については、最高裁判所の判決で「第三者が持ち去ったこと」を保険加入者側が証明する必要があるとされています。防犯ビデオの映像などがあればよいですが、そうでない場合には、様々な状況証拠を積み重ねて立証しなければなりません。盗難防止装置(イモビライザー)付の自動車の場合には証明が難しい場合も少なくありません。 個々の事案によって争点等も異なってきます。

傷害保険

自転車で転倒してけがをして入院しました。半年前にも同じように自転車でけがをして入院したことがあったためか、保険会社はわざと転倒してけがをしたのではないかと疑っているようです。目撃者がいたかどうかも分からず困っています。保険金はもらえないのでしょうか?

傷害保険の場合、補償の対象となる事故が「予見できなかった」ものでないといけないとされています。そこで、最高裁判所の判例は、「故意でない」ことを保険加入者側が証明しないといけないとしています。しかし、「故意でない」という立証は非常に難しいものです。そこで、消費者が加入する傷害保険では、「故意でない」ことの証明を消費者に求めることは、消費者契約法に違反するのではないかとの指摘もあります。いずれにしても、保険会社側が故意による事故を疑う以上、わざと起こした事故だと認定されないように、故意によらない事故であったことを丁寧に説明して、それを裏付ける資料を出していく必要があります。

保険金の支払い

自動車の盗難に遭ったのですが、保険会社から、本当に盗まれたのかどうか調査が必要だと言われて、保険金が支払われないままもう半年が経過しました。いつまで待たなければいけないのでしょうか。また、保険会社に対して、調査が長引いたことに対する損害金の請求はできないのでしょうか。

まずは保険会社の約款を見て下さい。自動車保険など損害保険の場合、通常、“保険金請求書等による保険会社所定の保険金請求手続をした日から”30日以内に保険金が支払われることとなっています。したがって、保険金を請求する場合は、すぐに保険会社や代理店に問い合わせて保険金請求書等の必要書類一式を取り寄せ、その書類を提出して保険金を請求してください。
ただし、保険会社の約款には、調査等に時間が必要な場合、その内容に応じて保険金支払の時期(支払時期)を延長できる規定が置かれています。
保険会社から調査が必要と告げられた場合、調査の内容は何か、その為に支払時期はいつまで延長されるのかを保険会社に問い合わせましょう。その支払時期を経過した後になって保険金が支払われた場合、保険会社に対しては、支払時期を経過してから実際に保険金が支払われるまでの期間について、年6分の割合による損害金(遅延損害金)を請求することが出来ます。

なお、保険会社の約款に支払時期の延長が規定されていても、実際には約款に記載されているほど調査に時間がかからない場合もあります。例えば、約款に、警察の捜査結果照会の為、支払時期を180日に延長できる旨規定されていても、実際は120日程度しか時間がかからない場合などです。このように、約款規定の支払時期が、保険会社が必要な調査をするための「相当の期間」を超える場合、法律上、「相当の期間」を経過した時点から遅延損害金を請求できるとされています。ただし、「相当の期間」がどの程度なのか、保険金請求者側が主張・立証しなければなりませんので、専門的な見地から、事案に応じて詳細な検討をする必要があります。

訪問販売・クレジットに関するQ&A

クーリング・オフの意味

クーリング・オフとは何ですか。どういう場合に使えるのですか。

クーリング・オフとは,売主の側に解除されてもやむを得ない事情がなくても,買主が無条件に契約を解除できる制度のことです。訪問販売等の取引では,買主が事業者の言葉に左右され,契約締結の意思が不安定なまま契約に至ることが多いため,買主に再考の機会を与える趣旨です。
訪問販売,電話勧誘販売,エステティックや英会話学校等では契約書面等を受領してから8日間,マルチ商法や内職商法・資格商法等では契約書面等を受領してから20日間,買主は契約を無条件で解除(クーリング・オフ)できます。
契約書面等の記載事項は法律等で定められており,記載事項を欠く契約書面等の受領ではクーリング・オフ期間が進行せず,契約書面等受領から8日又は20日経過後であっても契約を解除(クーリング・オフ)できることがあります。

浄水器の訪問販売

自宅に来た業者から長時間勧誘され、浄水器を購入しましたが、商品を返して代金を返してもらいたいです。何か方法はありますか。

「特定商取引に関する法律」に規定されている「訪問販売」で商品を購入した場合、購入者は、事業者から契約書面の交付を受けた日から8日間以内であれば、クーリング・オフにより売買代金の返還を請求できます。仮に8日間を過ぎていてもクーリング・オフできる場合もありますので、まずは弁護士にご相談下さい。

クーリング・オフの妨害

訪問販売で布団を買いましたが,やはり要らないので,その翌日,販売業者に電話をかけて解約したいと伝えました。しかし,業者から「身勝手すぎる」と断られてしまいました。契約からすでに8日を過ぎていますが,まだクーリング・オフはできますか。

訪問販売は特定商取引に関する法律によって規制され(特定商取引に関する法律第1条,第2条),クーリング・オフの対象となります(特定商取引に関する法律第9条)。クーリング・オフは,原則として,特定商取引に関する法律第5条に定める契約書面を受領した日から8日が経過するまでに,書面によって販売業者に通知するという方法で行わなければなりません。
本件は,書面ではなく電話でクーリング・オフの意思を伝えていますが,書面でなくとも立証さえできればクーリング・オフとして有効とするのが多数の裁判例です。また,ご相談の時点で契約から8日間経過しており,一見,クーリング・オフできないように思えます。しかしながら,本件ではクーリング・オフできるにもかかわらず,販売業者から解除できないと言われ,クーリング・オフの行使につき,販売業者から妨害を受けております。この場合には,販売業者がクーリング・オフできる書面を消費者に改めて交付し,クーリング・オフできることを消費者に誤解が解けるように説明する義務があり,それらの行為が行われてから8日間が経過するまで,クーリング・オフができるとされております。 したがって,本件ではまだクーリング・オフが可能です。

クーリング・オフ通知の送付先

昨日,訪問販売で布団を買い,その代金を支払うためにクレジットを組みました。しかし,あまりに高すぎると思い,今からクーリング・オフをしたいのですが,誰に対して,どのように通知すればいいですか。

訪問販売で,布団を買い,その代金支払いのためにクレジット契約を結んだ場合は,布団の売買契約をクーリング・オフすることができますが,クレジット契約についても,クレジット契約の契約書面(布団の売買契約書面とは別のものです)を受け取った日から8日間はクーリング・オフすることができます。そして,布団の売買契約をクーリング・オフする前に,クレジット契約をクーリング・オフしたときは,布団の売買契約についても連動してクーリング・オフされたものとみなされます(このとき,布団の売買契約のクーリング・オフ期間が経過していた場合であっても布団の売買契約はクーリング・オフされたとみなされます)。ですから,(布団の売買契約をクーリング・オフするよりも先に)クレジット会社に対して,クレジット契約のクーリング・オフする通知を送付すればよいでしょう。
但し、クレジットカードを利用した場合には、クレジット契約自体のクーリング・オフはできませんので、売買契約のみをクーリング・オフし、クレジット会社に対しては、クーリング・オフをしたので、クレジットの支払はできませんと通知をすることになります。

クレジット契約の不実告知等取消し

訪問販売員のセールストークに騙されて、全く不要なリフォーム契約をさせられてしまい、支払のためにクレジットを組まされたのですが、リフォーム契約とクレジット契約の両方を取り消すことはできますか。

訪問販売員が、契約の勧誘に際して、契約の必要性などの重要な事項について事実と異なる事を述べ、それを真実であると信用して契約をさせられた場合には、その契約を取り消すことができ、その際、その契約の代金の支払いのためにクレジット契約を結んでいた場合には、クレジット契約も同様に取り消すことが可能です。但し、クレジットカードを利用した場合には、クレジット契約自体を取り消すことはできず、クレジットの原因となった訪問販売の方法による契約自体を取消し、クレジット会社に対しては、原因となった契約を取り消したので、クレジットの支払はできませんと通知をすることになります。

クレジット契約の過量販売解除

訪問販売員に強引に勧誘をされ、一度に5年分の量の健康食品をクレジットを組まされて購入させられてしまいました。売買契約とクレジット契約を解約したいのですが、どうしたらよいですか。

訪問販売によって、日常生活において通常必要とする分量を著しく超える分量の契約を結んだ場合には、その契約を解除することができます。そして、その契約のためにクレジット契約を結んだ場合には、同様に、クレジット契約を解除することが可能です。
但し、クレジットカードを利用して決済した場合には、クレジット契約自体を解除することはできず、訪問販売契約を解除した上で、クレジット会社に対しては、原因となった契約を解除したので、クレジットの支払はできませんと通知をすることになります。

抗弁接続

クレジット決済で購入した商品が届いたのですが、注文をした商品とは全く違う商品でした。この場合、クレジットの支払いをしなければならないのですか。

注文した商品とは全く違う商品が届いたという場合、売主である販売業者は売買契約を正当に履行したとはいえませんので、販売業者に対しては、売買代金の支払いを拒むことができます。そして、売買代金のためにクレジット決済を用いた場合には、クレジット会社に対しても、同様にクレジットの支払を拒絶することができます。但し、クレジットの支払回数が翌月一括払いの場合、現金販売価格が3万8000円未満の場合(リボ払いの場合)またはクレジットの支払総額が4万円未満の場合(リボ払い以外の場合)については、クレジットの支払を拒絶することができない場合があります。

クレジットカードの不正利用

クレジット会社から、身に覚えのないクレジットカード利用料金の請求が来ていますが、どう対応すればよいでしょうか。また、息子が親のクレジットカードを使って、無断でインターネットで多額のサイト利用料のクレジット決済をした場合には、親はクレジット利用料金の支払をしなければならないのでしょうか。

身に覚えのないクレジット利用料金の請求が来た場合には、クレジットカードを盗まれたり、落とした場合、あるいは、クレジットカードの個人情報を盗まれて(スキミングなど)他人に不正に利用された恐れがあります。このような場合には、本人に大きな落ち度でもない限り、本人が利用したわけではないので、クレジットの支払をしなくてもよいという扱いとなることがほとんどです。カード会社にまずは問い合わせて、事情を説明して、請求を取り下げてもらうように交渉するべきでしょう。

本人の家族が本人に無断でクレジットカードを利用した場合には、カード会社の規約上は、カードの名義本人が責任を負うという扱いになっていることがほとんどですが、たとえ不正に利用した者が家族であった場合でも、カード会社がクレジットカードの利用に際して、本人確認のためのチェックを怠り、本人以外の者の利用を許してしまったというような事情がある場合には、支払を拒絶することができる余地が全くないわけではありませんので、弁護士にご相談下さい。

少額訴訟・調停

訪問販売で羽毛布団を購入した後、クーリング・オフをしたのに、業者は、なかなか代金(20万円)を返してくれません。金額が比較的少額ですし、裁判は手続きが難しそうなので、裁判以外の簡単な方法として少額訴訟や調停があると聞きましたが、どのような方法ですか。

少額訴訟は、少額(60万円以下)の金銭の支払をめぐるトラブルを速やかに解決する簡易裁判所での手続です。被告が異議を述べない限り、少額訴訟では、当事者双方の言い分を聞いたり、証拠調べをしたりする(口頭弁論)日は、原則1日とされており、判決も口頭弁論終結後直ちにしなければならず、解決までの時間が早いのが特徴です。

調停は、裁判所で裁判官1名と一般の中から選ばれた調停委員2名が、当事者双方の意見を聞きながら話合いで紛争を解決していく手続です。調停は、当事者が合意した場合を除いて、相手方の住所か営業所がある簡易裁判所に申立てを行うことになります。調停で当事者間に合意が成立したときには、調停調書を作成します。調停調書には確定判決と同一の効力があり、当事者が合意内容を守らない場合、強制執行の手続をとることができます。詳しくは弁護士にご相談下さい。

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