知的財産権

トップページ > 相談内容 > 知的財産権

知的財産権に関するQ&A

知的財産権に関しての相談例です。

知的財産権

知的財産権とはどういうものでしょうか。

人の知的成果や営業上の信用等に対して法律上の保護が付与されたものといえます。具体的には、特許権・実用新案権・意匠権・商標権などの特許庁における登録を要するもの、著作権・営業秘密に係る権利など登録を要しないもののその保護のために一定の要件が必要なものがあります。
ただし、実際の事例では、以下の各相談事項でもあるように、例えば「私の会社の製品(あるいはマーク)の偽物が出回っているけれどどうしたらよいのでしょうか。」や、「会社の元従業員が自社の顧客名簿と設計図面を持ちだして、別会社で利用しているようだ。」といった内容の相談となるわけですから、知的財産権が問題となるか否かは御自身ではなかなか判断できないことも多いと思います。早めに弁護士に相談して的確なアドバイスをもらうことが重要です。

さらに、当会の法律相談では、産業財産権といわれる典型的な知的財産権だけではなく、例えばノウハウや、商品化権、パブリシティ権などの知的財産周辺領域を広く取り扱っており総合的な相談対応が可能ですので、是非ご利用ください。

知的財産相談

知的財産権について相談したいのですが、どこに相談すればよいでしょうか。
  1. 大阪弁護士会では、平成20年6月から、総合法律相談センターにおける法律相談の一分野として「知的財産法律相談」を実施しております。また、知的財産法分野を取り扱ったことのある弁護士を紹介する「弁護士紹介制度」も同センターで随時実施しています。詳しくは、 このホームページの知的財産相談の箇所をご覧ください。
  2. さらに、大阪弁護士会のホームページでは弁護士検索サービスを提供しておりますが、検索の方法として「重点取扱分野検索」というものがございます。この検索サービスにより、知的財産権関連やIT関連紛争を取り扱っている大阪弁護士会所属の弁護土の情報を取得することができます。こちらのリンクからご利用ください。
    http://www.osakaben.or.jp/web/lawyersearch/index.php
知的財産相談の予約を取りました。何を用意していけばいいでしょうか。

相談内容によって異なりますが、「問題となっている特許等の公報」、「対象となる技術内容あるいは商品表示等に関する資料」、「相手方から届いた警告書」等、関連すると思われる資料を用意しておけば、比較的相談をスムーズに行うことができます。
ただし、内容によっては、短時間では相談内容を十分に弁護士に伝えきることができないケースもありえますので、「経緯等をとりまとめたペーパー」を用意することも検討された方がよいでしょう。
これ以降の質問では、具体的な相談内容を記載しておりますが、個々の相談内容において、用意しておくとスムーズに相談が進められると思われる資料を記載しておりますので、当該記載箇所もご参照ください。

特許権侵害

知的財産権について相談したいのですが、どこに相談すればよいでしょうか。

自社の特許製品と同様の製品が出回っていることへの対処方法を教えてください。
対象製品が貴社の特許権を侵害しているかどうかについて、慎重に検討する必要があります。
そのためには、特許公報の記載、出願経過、従来技術などを吟味しなければなりません。これらには、かなりの時間と労力が必要です。また、ときには貴社の特許が無効であるという場合も考えられますので、弁護士と継続して相談を行い、場合によっては貴社の特許出願に関与した弁理士も参加させて、さまざまな視点から検討する必要があります。
対象製品が貴社の特許権を侵害している場合には、対象製品の製造販売の差止めを請求したり、損害賠償を請求することが考えられます。警告書の発送、その後の具体的な交渉の進め方、侵害が止まない場合における訴訟の提起に関することについても、弁護士に相談ください。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 自社の特許の特許公報、お持ちであれば特許登録原簿謄本や包袋記録
  • 自社の特許の製品の実物又はそのカタログ類
  • 相手方製品の実物又はそのカタログ類、写真など

特許権侵害警告

他社から突然、自社製品が特許権の侵害であるとの警告書が送られてきました。対処方法を教えてください。

まずは、相手方が特許権の侵害と主張する「特許権」の内容を把握し、自社製品がこれに該当するかどうかの判断が必要となりますが、これは、場合により非常に専門性が高く、検討するにあたっても資料を揃える必要があることがほとんどです。さらに、状況に応じて、「相手方の特許に無効事由がないか」といった点や、あなたに実施権が認められるような場合がないか(例えば先使用権)といったような点も検討することが必要となる場合もありますが、これらも極めて専門性の高い判断となります。
しかも、その判断は、最終的には裁判所による判断を仰がない限りは、自社見解と相手方見解のぶつかり合いとなり、膠着状態に至ることもあります。ただ、最終的に、裁判所において「侵害」であるとの判断がなされた場合、当該自社製品の製造販売を差し止められるばかりか、これまでの販売によって得た利益なども相手方に損害賠償として支払わなければならないことになります。

上記のとおり、警告書に対してきちんとした回答をするにあたっては、種々の調査、検討が必要となってきます。
ただ、警告者は、期限を切って回答を求めてくるのが通常ですので、まずは、さしあたっての回答をどのようにすべきか、そういった点を、早めに弁護士に相談することをお勧めいたします。
回答をした後は、自社製品が相手方の主張する「特許権」を侵害するかどうかの弁護士などの法的見解を得て、それをみながら、相手方との問で交渉により和解するかどうか、どういった条件で和解するか、という経営的判断も必要になります。
よって、自社製品が相手方の主張する「特許権」を侵害するかどうかの見解を得るため、あるいはその後の交渉の進め方について、綿密に弁護士と相談していくことになります。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 相手方からの警告書
  • 相手方からの警告書に記載されている相手方特許の特許公報
  • 自社製品の実物又はそのカタログ類、写真など
  • 自社製品の製造・販売状況が分かる資料

商標権侵害

他社が自社商品名とまぎらわしい名称の商品を販売していることへの対処方法を教えてください。

まず、貴社がその商品名を商標登録しているという場合、その登録商標と、相手方が商品に付している商品名が一致・類似しているかどうかを判断する必要があります。この点は、弁護士にご相談ください。
次に、貴社の商品名について商標登録していない場合、その商品名が需要者の間でネームバリューが高い(周知・著名)ものであれば、不正競争防止法上の保護を受けることがありえます。
なお、逆に、相手方がその商品名を商標登録しているケースもありえます。この場合、逆に貴社がその商品名を使用すること自体が相手方の登録商標を侵害することになりかねません。ただし、相手方が当該商品名について商標登録出願する前から、貴社がその商品名を使用して当該商標登録出願の際現に周知になっているような一定のケースでは、貴社はその商品名を継続して使用することもできます。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • (貴社商品名が商標登録済みの場合)商標登録証ないし商標公報、お持ちであれば商標登録原簿謄本
  • (相手方商品名が商標登録済みの場合)商標公報
  • 貴社商品に関するカタログ類(現在及び過去のもの)
  • 貴社商品名が周知であることを示す資料(雑誌類等)
  • 相手方製品の実物又はそのカタログ類
  • (既に商標登録出願を依頼した弁理士等が意見書を作成している場合)当該意見書

デザイン保護

他社が自社商品と酷似したデザインの商品を販売していることへの対処方法を教えてください。

様々なデザインのうち物品(有体動産)に関するものについては、意匠登録が可能です。そこで、貴社の取扱商品のデザインが意匠登録されている場合には、その意匠と相手方商品のデザインが同一又は類似していれば、相手方の使用等を差し止めたり、損害賠償の請求をするかどうかを検討します。また、貴社の商品のマークが商標登録されている場合にも同様に差止めや損害賠償等ができるか検討します。

次に、貴社が意匠登録(或いは商標登録)されていなくても、貴社のデザインが広く知られていて相手方デザインと紛らわしかったり、更に有名になっていたりする場合には、不正競争防止法という法律により(2条1項1号又は2号)、差止めや損害賠償請求等できる場合があります。さらに、相手方の商品の形態が貴社の商品のデッドコピーであるように貴社の商品形態を模倣しているようなケースも同様に不正競争防止法(2条1項3号)によって差止め、損害賠償などの請求ができる場合がありますが、この場合には貴社商品の日本国内における最初の販売から3年以内に限られることに注意を要します。

このほかに、登録の有無を問わず、貴社のデザインが創作性を有しており、著作権法上の保護が得られないかも一応検討すべき事項となりますし、民法の不法行為に当たるということも裁判で認められることがあります。ただし、後者の場合は、損害についての立証の負担は重くなります。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • (貴社商品が意匠登録済みの場合)意匠公報、お持ちであれば意匠登録原簿謄本
  • 貴社商品の実物又はそのカタログ類(現在のもの)
  • 貴社商品の発売開始時点のカタログ(その他貴社商品の発売開始時がわかる資料)
  • 相手方製品の実物又はそのカタログ類
  • (既に意匠或いは商標出願を依頼した弁理士等が意見書を作成している場合)当該意見書

営業秘密

当社(甲)の元社員である乙が、当社在職中に当社製品(A)のCAD図面と顧客名簿のデータを当社のパソコンからコピーして持ち出し、当社を退職した後に自ら競業社となる丙を設立して、当社の製品に酷似した製品(B)を製造して販売しています。当社は乙や丙に対して、具体的にどのような請求ができるのでしょうか。

貴社の「顧客名簿」や「CAD図面」が(1)秘密として管理された情報であり、(2)事業活動上有用であって、かつ(3)貴社以外からは一般に入手することができない非公知な情報であれば、これら「顧客名簿」「CAD図面」は、不正競争防止法(以下、「不競法」といいます。)2条6項の「営業秘密」に該当することになります。この際、特に(1)の秘密管理性の要件は、裁判上もしばしば問題とされることが多く、会社の状況に応じて具体的判断はかなり微妙になりますので、弁護士による判断を受けてください。詳しくは、次のQ&Aに記載しています。

次に、乙による各データの持ち出し行為と、丙社の使用行為(B製品の製造・販売行為)が不正競争行為に該当するかを検討する必要があります。

(A)乙のデータ持ち出し行為については、(A-1)乙が、貴社在職中にそれらの各データにアクセスできる権限がない場合や、貴社において各データの社外持ち出しは禁止されていたような場合には、乙による各データの社外持ち出し行為は不競法2条1項4号の不正取得行為に該当すると考えられます。(A-2)乙が、貴社在職中に「CAD図面」「顧客名簿」の各データにアクセスできる権限を有していて、しかも、データをコピーして社外に持ち出すようなことまで認められていたような場合には、乙の持ち出し行為自体は適法とされる場合があります。その場合には、乙が事後に丙社を設立して、貴社の営業秘密情報(「CAD図面」「顧客名簿」)を利用して、不正な競業行為を行うことを目的として、当該営業秘密情報を使用・開示する行為が、不競法2条1項7号の不正使用・開示行為に該当することになると考えられます。

(B)次に、丙社による営業秘密データの使用行為(B製品の製造・販売行為)についてですが、丙社は、そのオーナー(株主)兼代表取締役は乙であることが多いと思われます。そこで、前記(A-1)の場合には、乙の不正取得行為について、丙社は悪意であるといえますから、そのような不正取得者の乙から営業秘密情報の開示を受け、これを使用してB製品の製造販売を行う丙社の行為は、不競法2条1項5号の不正競争行為になるものと考えられます。次に、前記(A-2)の場合、乙の不正開示行為の転得者である丙社によるB製品の製造・販売行為は不競法2条1項8号の不正競争行為に該当することになると考えられます。
以上から、貴社は、乙や丙社に対して、以下のような請求ないしは措置をとることができます。

  1. 差止請求
    貴社は、丙社が営業秘密である「顧客名簿」や「CAD図面」を用いて、B製品の製造・販売を行うことの停止を求めることができます。
  2. 損害賠償請求
    貴社は、乙や丙社に対して、貴社の営業秘密の侵害によって被った損害の賠償を請求することが可能です。なお、損害を立証することが困難なことから、その負担を軽減するため推定規定等がおかれています(不競法5条1項から3項)。
  3. その他
    乙や丙社の不正競争行為によって、貴社の営業上の信用が害された場合には、信用回復復措置(例えば謝罪広告)を求めることができる場合があります(不競法14条)。また、特に、行為態様の悪質なものについては、刑事罰として営業秘密侵害罪が規定されています(法21条1項1号から7号)が、処罰を求めるためには、貴社による告訴が必要です。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 営業秘密であると考えられる情報がわかる資料(顧客名簿やCAD図面)
  • 不正競争行為を行っていると考える者との間で結んだ秘密保持契約書や誓約書等
  • 秘密保持に関する就業規則
  • 営業秘密管理に関して行った研修や指導、教育等の結果を記した資料
  • 不正取得や不正開示がなされたことを推認させる資料(対象者が配布した案内状やDM、対象者の製品の図面等)

営業秘密 秘密管理

「顧客名簿」や「CAD図面」といった情報を営業秘密として社内で管理していくうえで気をつけるべきことはどのような点でしょうか。

顧客名簿」や「CAD図面」が不競法上の「営業秘密」に該当するためには、(1)秘密管理性、(2)有用性、(3)非公知性の要件を満たすことが必要です。これらの各情報は事業活動上有用な営業上又は技術上の情報であるので、(2)の要件は満たします。また、これらの各情報が、貴社以外では一般に入手できないような情報であるとすれば、(3)の要件も満たすことになります。
問題は、(1)秘密管理性の要件であり、しばしば裁判上もこの点が争われることになります。ですから、社内管理上はとりわけ秘密管理性の要件に注意してこれらの情報を管理していく必要があります。
秘密管理性とは、「主観的に秘密として保有する意思と、客観的に秘密として管理されている事実」が必要とされています。さらに、裁判例上は、例えば、「(1)当該情報にアクセスした者に当該情報が営業秘密であることを認識できるようにしていること、(2)当該情報にアクセスできる者が限定されていること」という点を判示しているものがいくつか存在します。

以上から、社内である情報を営業秘密として管理していくためには、単に社内的に秘密情報であるとして管理する意思を有しているだけでは不十分であり、アクセス制限等の処理と、当該情報にアクセスした者が秘密情報であると認識できるような措置を施す等の、客観的な秘密管理の事実が重要になります。
具体的には、様々な考慮要素を総合的に判断して秘密管理性が満たされているか否かが判断されることになると考えられますので、それぞれの会社の規模や業種、営業秘密情報の状況等に応じて、それらの諸要素を確保できるような方策を講じていくことが重要ですので、具体的にどのようにしていけばよいのかについては弁護士に相談ください。以下では秘密管理性を判断する上でのポイントとなるべき要素の一例を指摘します。

(A)物理的・技術的管理
(A-1) アクセス制限:アクセスできる者を制限する、ID・パスワードによる管理
(A-2) 表示:「マル秘」の表示
(B)人的・契約上の管理
(B-1) 秘密保持契約書、誓約書:秘密保持に関する契約書や誓約書の締結

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 営業秘密管理に関する就業規則
  • 営業秘密管理に関する誓約書
  • コンピューター等による営業秘密管理の状況をまとめたメモ
  • 営業秘密管理に関する教育、研修、指導等の経過が分かる資料

ソフトウェア著作権

「顧客名簿」や「CAD図面」といった情報を営業秘密として社内で管理していくうえで気をつけるべきことはどのような点でしょうか。

私は、あるソフトウェア開発会社に派遣で勤務していましたが、そのとき、業務上開発していたソフトウェアからヒントを得て、個人的に趣味で別のソフトウェアを並行して作成しましたが、このソフトウェアに関する権利は、私にはないのでしょうか。

著作権法15条2項は、法人等の発意に基づき、その法人等の業務に従事した者が職務上作成するプログラムの著作物の著作者は、その作成時のおける契約や就業規則等で別段の定めがない限り、その法人等である旨規定しています。
したがって、あなたの作成したソフトウェア(以下、「本ソフトウェア」といいます。)が著作権法15条2項に該当しなければ、このソフトウェアの著作者はあなたとなり、その著作者人格権及び著作権はあなたに帰属することとなります。

本質問のように、派遣先で勤務していた時期に本ソフトウェアを開発したような場合であっても、派遣労働者であるあなたが派遣先の会社の労働者と同じように使用者から指揮命令を受けているような関係があれば、「法人等の業務に従事した者」に該当すると考えられています。
また、本ソフトウェアは、あなたが個人的に趣味で作成したものですので、「職務上作成」したとはいえない場合に該当しそうですが、あなたが従事する業務の種類・内容、本ソフトウェアが作成された時間・場所等の事情(例えば、勤務時間中に勤務場所で作成した場合など)によっては、「職務上作成」した場合に該当し、著作権法15条2項により、本ソフトウェアの著作者が派遣先の会社となる場合もあり得ます。
さらに、あなたが本ソフトウェアの著作者となる場合であっても、業務上開発していたソフトウェアから単にヒントを得ただけでなく、そのソフトウェアのソースコードを一部用いているような場合は、業務上開発していたソフトウェアの複製権や翻案権を侵害する場合もあり得ます。
加えて、業務上開発していたソフトウェアからヒントを得ているという点で、そのヒントのもととなった情報が派遣先会社の営業秘密に該当する場合もあり、不正競争防止法違反となる場合もあります。
このように本ソフトウェアの著作権や著作者人格権の帰属や派遣先会社の権利を侵害するおそれがないかについては、具体的事実関係を詳細に把握し、法律的知見をもって判断する必要があります。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 勤務会社におけるソフトウェア開発経緯・業務内容とあなたが独自に開発したソフトウェアとの関連性を時系列に即してまとめたペーパー
  • 派遣契約書等派遣先で教務をするにあたって締結した契約書

写真著作権

「顧客名簿」や「CAD図面」といった情報を営業秘密として社内で管理していくうえで気をつけるべきことはどのような点でしょうか。

私は全国の寺院等の写真を撮影してこれをデジタルデータとしてCDに記録し、地元発行の会誌に掲載してもらっていましたが、その会誌の発行会社が、それを写真集として私に無断で発行していることが判りました。どうにか対処できないでしょうか。

全国の寺院等を撮影した写真は、通常、どのようなアングルにするか、露光や陰影のつけ方をどのようにするか、シャッター速度の調整により画像をどのように作成するか等について様々な創作性が求められるものなので、著作物といえます。
したがって、本件で会社が発行する写真集が上記の写真のデジタルデータを使用して作成された物といえるのであれば、会社は、当該写真の著作権者であるあなたの許可なくその著作物を印刷・発行しているので、あなたの著作権(複製権等)を侵害しているといえます。

この場合、あなたは、会社に対し、(1)写真集の発行の差止め及び(2)損害賠償(例えば、会社が写真集を発行することによって得た利益相当分等)を請求することができます。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • あなたが撮影した写真
  • 無断で発行された写真集

知的財産権契約

「私は小さな工場を経営しておりますが、独自の工夫をした部品について、大きな会社からその部品に関する製造技術を使わせて欲しいとの申出を受けました。契約の締結にあたり注意すべき点は何ですか。

「部品に関する製造技術」について貴社が特許を取得していないことを前提の回答となります。
貴社の有する「部品に関する製造技術」、即ち貴社の『ノウハウ』を他社に開示し、使用させるにあたっては、貴社ノウハウの使用許諾契約を締結することになります。この契約締結にあたっては、そのノウハウがどういった情報であるのかを特定する必要がありますが、契約書にその内容をすべて書くことはできないので、契約書に別紙で添付したり、ノウハウが記載された書面の名称などで特定することとなります。
また、開示するノウハウは貴社にとって重要な情報ですから、その対価を定める必要がありますが、対価を一括で支払ってもらうのか、一定期間ごとに支払ってもらうのか、ノウハウを使用した部品の製造個数に応じた額を支払ってもらうのか等により定めることとなります。

さらに、ノウハウは貴社にとって重要な情報ですので、その情報が開示を受けた他社から外部に開示されないようにすることが極めて重要です。そこで、開示を受けた会社の秘密保持義務や開示を受けた会社での開示情報の人的・物的管理体制の構築や契約終了後の開示した情報の取り扱い、 秘密保持義務の存続期間を定めておくべきでしょう。
大まかな注意点としては以上のとおりですが、具体的にどのような契約条項を定めるべきかどうかは事案によって様々ですので、具体的な契約条項については、弁護士にご相談ください。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 相手方会社から提供された契約書
  • 対象部品・製造技術の概要に関する書類

ソフトウェア担保

私は、ソフトウェア関連ベンチャーを経営していますが、私たちが開発したソフトウェアについての知的財産権を担保に融資を受けられないか検討しています。どのような点に注意したらよいですか。

まずは、貴社のソフトウェアにどのような知的財産権が発生しているか、具体的には、ソフトウェア著作権のほか、特許権や商標権などが登録されているかを確認し、次に、それらの権利に財産的価値があるとの価値評価を経る必要があります。価値評価は、公認会計士、税理士などの専門家による鑑定的な判断を要します。貴社のソフトウェアがあまり知られておらず思うような価値評価が得られない場合には、他の財産と一括して担保権を設定する方法も検討します。なお、単なるノウハウや営業秘密は、価値評価が得にくいので、担保権の設定は多くは困難と考えます。
設定する担保権としては、主に、(1)質権、(2)譲渡担保権が考えられます。

質権は、知的財産権の各種法律に明記された権利であり、あたかも不動産の場合の抵当権と同じように融資を受けながらも特許権の実施や商標の使用が継続できます。

譲渡担保権は、特許や商標の場合は、設定登録しなければ譲渡担保権も発生しないことや、特許・商標などの権利者の名義が担保権者に移ってしまうことに注意が必要です。他面で、ベンチャーで他に不動産などがない場合には、特許前でも「特許を受ける権利」に譲渡担保権の設定であれば可能であることが挙げられます。

貴社がソフトウェア関連ベンチャーということなので、多くは著作権に対する担保権設定が多いと考えられますが、著作権というものは、複製権、翻案権など各種の権利が束になっているものですので、何を担保目的とするかは注意が必要です。また、他にソフト製作に関わった権利者との間の「権利処理」が必要な場合があります。

このように、貴社のソフトウェアがどのような知的財産権によって保護されるのかの判断、その権利の他の関係者への帰属如何、設定できる担保権の種類、設定後の利用や管理の問題、バージョンアップに伴う問題など、知的財産権への担保権設定は高度で複雑な法律的判断を要することが多いと思われますので、貴社の権利を保護するためにも、弁護士と相談しながら進めていくのが望ましいと考えます。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 相手方会社から提供された契約書又はドラフト
  • 対象ソフトウェアについて登録がある場合には、登録関連書類
  • 対象ソフトウェアの概要等をまとめた書類
  • 知的財産の評価を受けた場合には、評価書

職務発明

私は、会社である発明をしましたが、会社は私に何らの補償をしてくれませんでした。どうにかならないでしょうか。

従業員が、その性質上使用者(会社)の業務範囲に属し、かつその発明をするに至った行為がその会社における従業員の現在または過去の職務に属する発明をした場合、これを職務発明といいます。職務発明について多くの会社は、あらかじめ特許(あるいは特許を受ける権利)を承継させる旨の就業規則等を定めています。その場合、会社は、特許(あるいは特許を受ける権利)を承継できますが、当該従業員は、相当の金銭その他の経済上の利益(「相当の利益」)を受ける権利を有することになります。
ですので、あなたが求めている「補償」とは、特許法上は上記の「相当の利益」ということになります。

ただ、あなたの発明が職務発明かどうか、相当の利益がいかほどになるのか、については、難しい法的判断を必要とします。これについては、あなたの会社に職務発明関連規程があるかどうか、あるとしてどのような内容か、会社がその発明について出願をしたかどうか、その発明に携わった他の従業員がいるかどうか、その発明について社内で表彰等がなされたかどうか、その発明に対する報奨金等に関する協議があったかどうか、あったとしてどのような内容であったのか、等々の事情を聞く必要があります。
これらの事情を整理して、それを裏付ける資料をできるだけ用意することが望ましいと思われます。詳細は、弁護士に相談ください。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 勤務していた会社の職務発明関連規程
  • 支給された報奨金等に関する書類
  • 社内における表彰に関する書類
  • 当該製品において実施されている特許についての特許公報

商品化権

我が社のキャラクターの海賊版が海外で出回っているとの情報を入手しました。また、この海賊品が、格安で日本に輸入されており困っております。どうすればよいですか。

会社のキャラクターは、表現物として存在している場合が大半ですので、通常は著作権法で保護される対象になります(なお、場合によっては、貴社のキャラクターが商標法や不正競争防止法、意匠法によって保護されることもあります。)。

したがって、貴社のキャラクターの海賊品を国内で製造する行為はもちろんのこと、海外で製造された貴社のキャラクターの海賊品を国内において頒布目的で輸入する行為又は輸入された当該海賊品を情を知って国内で頒布する行為若しくは頒布目的で所持する行為は、貴社の著作権を侵害するといえます。
この場合、貴社は、上記の行為をする者に対し、海賊品の製造等の差止めや損害賠償等を請求することができます。

その他、関税法による特別な措置(水際措置)を採ることも可能です。
いかなる手続を採るのがよいのかは事案によって様々ですので、詳しくは弁護士に相談ください。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 貴社キャラクターの概要及び関連商品が分かる資料
  • 国内・国外の模倣品が出回っていることを示す根拠資料
  • 模倣品を取り扱っている店舗やこれを製造している会社に関する資料

ネット上での名誉毀損

最近、私への誹謗中傷がインターネットの掲示板でなされていることを知りました。誰からかも分からず、対処に困っております。どうすればよいでしょうか。

掲示板に書き込まれたあなたへの誹謗中傷を削除するように求めたり、場合によっては、名誉毀損などを理由とする損害賠償請求や刑事告訴を行っていくことが考えられます。
掲示板への書き込みを削除してもらうには、まず、プロバイダや掲示板の管理者に対し、措置をとるよう求めるしかありません。求めに応じてくれれば良いですが、これに応じてくれない場合は、プロバイダや掲示板の管理者との交渉や訴訟を行うことも考えなければなりません。
また、あなたへの誹謗中傷を掲示板に書き込んだ相手方に対し損害賠償請求や刑事告訴を行うには、原則として、相手方が誰かを突き止めなければなりませんが、これについても簡単に分からない場合がほとんどです。
これらについての交渉や法的に可能な手続について、弁護士と相談していくことになります。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 誹謗中傷文が記載された掲示板を印刷したもの(ないしスクリーンショット)
  • 掲示板のURLや管理者が分かる資料

営業誹謗

A社が、当社製品を販売する当社の取引先に対し、当社製品がA社の特許権を侵害しているとの警告書を送付しています。このようなことをされては、当社の信用に関わりますし、製品の売上げにも影響しかねません。どのように対処すればよいのでしょうか。

A社が貴社の取引先に対してこのような警告書を送付することは、将来、貴社の製品がA社の特許権を侵害していないということが裁判などで確定した場合(侵害行為がないと判断されたり、A社の特許権に無効事由が存在し権利行使が許されないと判断された場合等)には、結果として、貴社の取引先に「虚偽の事実を告知」したことになり、不正競争防止法2条1項15号の営業誹謗行為・信用毀損行為に該当する可能性があります。このような場合、貴社は、A社に対し、損害賠償の請求を検討すべきでしょうし、稀ではありますが警告書送付の差止めや訂正文の送付(信用回復措置)などが認められることもあります。

他方で、A社がそのような警告書を貴社の取引先に送るに至った経緯や、警告書の送付先の数・範囲、取引先の業種・事業内容、その他様々な事情を総合的に見た結果、A社によるこのような警告書の送付も、特許権者による正当な権利行使の一環であるとされたり、A社には過失がないと判断されるなどして、貴社による損害賠償請求などが認められないケースもありますが、その判断は微妙ですので、弁護士と相談のうえ、慎重に対処していくことが必要です。

《相談にあたって事前に用意しておくことが望ましい資料》

  • 取引先に送付されてきたA社からの警告書(写し)
  • 警告書に記載されているA社の特許の特許公報
  • 自社製品のカタログ類、写真など
  • 自社製品の製造・販売状況が分かる資料

まずはこちらまでお電話を...
06-6364-1248
(予約受付時間)平日 午前9時〜午後8時
土曜 午前10時〜午後3時30分