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もし、あなたや、親族、知人が逮捕されたら…

(刑事当番弁護士)

刑事当番弁護士制度

(1)大阪府内の警察に、(2)逮捕・勾留されていて、(3)まだ起訴されていない事件について、被疑者等の要請に基づき弁護士を派遣する制度です。
お申し込みの際には、06-6363-0080 にお電話いただき、

(A)申込者のお名前、ご住所、連絡先の電話番号、被疑者との関係
(B)被疑者のお名前、生年月日、年齢、通訳の要否と言語
(C)罪名、逮捕日時、在監場所

と、これだけのことをお知らせください。情報が不明・不正確な場合には弁護士を派遣できないことがあります。

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目 次

  1. 逮捕とは
  2. 逮捕から勾留へ
  3. 逮捕・勾留中の取り調べ
  4. あなたが行使できる権利
  5. 取り調べに対する注意(ウソの自白は禁物)
  6. 調書の作成に応じる場合の注意点
  7. 起訴された場合
  8. 弁護人の費用
  9. 「留置場(拘置所)での生活」

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<身体の拘束と刑事手続の流れ>

図解:身体の拘束と刑事手続の流れ

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もし、あなたが、逮捕された場合、あなたはどのような状況におかれてしまうのでしょうか。以下では、仮に、あなた自身が逮捕された場合のこととして説明することにしますが、まず、忘れないでいて欲しいこと、一番大事なことは、あなたは、いつ何時でも弁護士に援助を求めることができるということです。知り合いの弁護士がいればその弁護士に、知り合いの弁護士がいなければ、警察でも裁判所でも「当番弁護士を呼んで下さい」と大阪弁護士会への連絡を求めて下さい。

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1.逮捕とは

 逮捕とは、捜査機関(警察や検察など)が、ある人物に対して 「何らかの罪を犯したのではないか」との疑いをもったとき、法律に基づいて身体を拘束する手続のことをいいます(逮捕には逮捕令状がいらない「現行犯逮捕」、逮捕令状が必要な「通常逮捕」、緊急性があると考えて身体拘束の後に逮捕令状を取る「緊急逮捕」があります)。

 逮捕されると、必ず、「弁護人を選任できる」ということを捜査機関から告げられますから、知り合いの弁護士がいなくても、弁護士に相談したい、アドバイスを受けたいと思ったら迷わずに当番弁護士を呼んでもらって下さい。

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2.逮捕から勾留へ

 あなたが逮捕されると、警察の留置場か拘置所に収容されます(ほとんどの場合は警察の留置場に収容されると考えておいて下さい)。そして、あなたは捜査機関からは「被疑者」と呼ばれ、捜査の対象として扱われます。

 警察に逮捕されると、逮捕の手続としては最大72時間の間、身体を拘束されます。逮捕から48時間以内に、あなたは検察官の元へ連れて行かれます(これを「検察官送致手続・送検」といいます)。

 検察官が、あなたには定まった住所がない、または逃亡すると疑うに足りる相当な理由がある、または証拠隠滅(証拠や証人を隠したりすることをいいます)すると疑うに足りる相当な理由があると考え、かつあなたの身体拘束を続ける必要があると考えれば、その後24時間以内に、裁判官に引き続き身体を拘束するように(この逮捕に引き続いての身体拘束を「勾留」といいます)請求します。

 検察官からの勾留請求があると、裁判官があなたの言い分を聞いたうえで(これを「勾留質問」といいます)、引き続きあなたの身体を拘束するかどうかを決めます。

 勾留質問のために裁判所へ行った際に、裁判所を通じて当番弁護士を依頼することもできますので、このことも憶えておいて下さい。

 勾留は法律上原則として10日となっていますが、更に10日以内の延長ができることになっています(通常は最大20日間まで勾留される可能性がありますが、内乱罪や外患罪など一部の重い罪については更に5日間延長される可能性もあります)。

 この検察官からの勾留の請求に対して、裁判官が、あなたには「犯罪を犯したという疑いがない」あるいは「定まった住所がある、逃亡や罪証隠滅すると疑うに足りる相当な理由がない」あるいは「勾留の必要がない」と考えれば、勾留は認められず、釈放されます。

※なお、「勾留質問」をして、勾留するかどうかを決めるのは裁判官であって、警察官、検察官には勾留するかどうかを決める権限はありませんので注意して下さい。

 勾留が認められれば、検察官は、裁判官が認めた勾留期間が終わるまでに(通常は最大20日間)、あなたを起訴するか(裁判にかけること)、しないかを決めます。不起訴(犯罪を犯した疑いがない、証拠が十分ではないなどの何らかの理由で起訴しないと検察官が判断した場合)、あるいは処分保留になると釈放されます。

 また、あなたの犯したとされる犯罪が比較的軽く、50万円以下の罰金または科料が相当であると検察官が判断したときは、あなたの同意により書面だけで裁判が行われることがあります(略式手続、略式命令)。この場合は、起訴と同時に釈放されます。

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3.逮捕、勾留中の取り調べ

(1) もっとも、逮捕された者が、罪を犯した(有罪)かどうか、また仮に罪を犯していたとしても、どのような処罰を受けるかは、裁判所が審理をし、判決が出されてはじめて決まります。それまでは、誰も、あなたを有罪と決めつけたり、勝手に処罰したりすることはできません(このことを「無罪推定の原則」と言います)。

 しかし、警察官や検察官は、あなたを犯人だと疑って逮捕しているのですから、あなたに対する取り調べを行い、厳しい追及が行われることが珍しくありません(というより、厳しく追及されるのが普通なのです)。

 逮捕や勾留で身体を拘束されている間、あなたは、警察官や検察官から取り調べを受けます。これは、事件の真相を知るためという意味もありますが、捜査機関の最大の目的は、あなたが言ったことを「供述調書」という書面に記録して、後の裁判における有罪のため証拠として確保することにあります。したがって、取り調べを受けるにあたっては、慎重な注意が必要になります。

(2) この逮捕、勾留段階での取り調べに対して、逮捕された者がまちがった対応や、いい加減な対応をすると、本当は無実であるのに処罰されたり、また犯罪行為を犯していたとしても実際に犯した行為に対する以上の重い非難、処罰を受けることにもなりかねません。

 「逮捕、勾留段階は捜査機関の言う通りに調書をつくっても、裁判になって裁判官に本当のことを言えばいい。裁判官はわかってくれる」とか「真実と異なる調書をつくっても本当は違うんだから、裁判で明らかにできる」という考えは、まったく通用しません。「やってもいないのにウソの自白をするはずがない」と判断されてしまいます。捜査、取り調べに対してまちがった対応や、いい加減な対応をすると、取り返しがつかないことになるのです。

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4.あなたが行使できる権利

 逮捕、勾留された者にも、憲法や法律で保障された権利があり(黙秘権、弁護人依頼権など)、これらの権利は、公正な裁判を受けるために我が国の憲法で保障されているものです。本当は無実であるのに間違って処罰されないために、また犯罪行為を犯していたとしても実際に犯した行為に対する以上の重い非難・処罰を受けないために、あなたの自身の身を護るためにこれらの権利の内容を記憶に留めておいて下さい。

(1)「黙秘権」とは

 まず、取り調べの前に言われると思いますが、あなたには『黙秘権』があります。これは「取り調べに対して、ずっと黙っていたり、言いたくないことは言わなくてもよい」という権利です。黙秘権は、憲法で保障された権利ですから、あなたが黙っていても、警察官や検察官は、無理にあなたに言わせることはできないことになっています。

(2)「弁護人依頼権」とは

 弁護人とは、あなたの味方になって、あなたを法的に護ってくれる弁護士のことです。あなたは、いつでも(起訴される前でも、起訴された後でも)、どこで身体拘束されていても、自分のために弁護人を依頼することができます。この弁護人を依頼する権利を行使することは誰も妨害できません。捜査に関わる人間の中には、弁護人を依頼すれば高額な費用がかかる等と言って、あなたが弁護人を依頼することを妨害しようとする者もいます。また、あなたが身に覚えがないことで逮捕・勾留されたような場合は「弁護人を依頼しなくとも本当のことはわかってもらえる」と考えてしまうかもしれません。しかし、あなたが万が一逮捕・勾留されてしまった時には、とにかく一度弁護士に相談することを強くお勧めします。当番弁護士の最初の派遣は無料ですから、弁護士の話を実際に聞いてから弁護人になってもらうように依頼するかしないかを決めればよいのです。まずは、気軽に当番弁護士の派遣を依頼してみて下さい。

 弁護人は、あなたの話を聞いて、あなたが捜査機関に対してとるべき態度、方針、取り調べに対する心構え、調書を作成する場合の注意点、絶対にやってはいけないこと等についてアドバイスしてくれます。また、あなたの色々な疑問に答えて、不安を解消してくれます。あなたの身内や友人などへの連絡も可能な限り引き受けてくれます。そして、あなたの主張が認められるように、捜査段階でも、裁判となった場合でも、さまざまな弁護活動をしてくれます。

 あなたに、相談できる弁護士がいれば、その弁護士に連絡をとって弁護を依頼できます(私選弁護人)。しかし、あなたに相談できる弁護士がいないような場合は、大阪弁護士会総合法律相談センターに連絡すれば(TEL 06−6363−0080)、ただちに弁護士がかけつけてくれ、初回の面会(接見)に限り無料で相談にのってくれます。これが、「当番弁護士制度」です。

 かけつけてきた当番弁護士に引き続き弁護を依頼すれば、費用が必要となりますが、その後は、その弁護士があなたの弁護人(私選弁護人)として、弁護活動をしてくれます。

 あなたが依頼した弁護人と相談したいときは、警察官や拘置所の刑務官に申し出て連絡をとってもらって下さい。

 弁護人との面会(接見)には、警察官や拘置所の刑務官の立会いはありませんし、弁護人には、あなたの秘密を守るべき義務がありますので、何でも遠慮なく相談して下さい。

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5.取り調べに対する注意(ウソの自白は禁物)

 取り調べに応じて、答える場合でも、本当は自分がやっていないことを「やった」と認めてはいけません。裁判になってから本当のことを言えばいい、という考えはまったく通用しません。たとえ、取調中に捜査官から暴行(殴る、蹴る、大声で怒鳴りつける等、暴行の手段は色々あります)や脅迫(「罪を認めて調書に署名しなければ、あなたの身内も取り調べる」など)を受けたり、「罪を認めて調書に署名したら保釈ができる、家族に会える」とか、「罪を認めて調書に署名したら刑を軽くしてやる」など(利益誘導と言います)と言われたからという理由であっても同じです(暴行、脅迫あるいは利益誘導を受けたような場合は、すぐに弁護人に伝えて対応してもらって下さい)。

 繰り返しますが、本当はやってもいないウソの自白であっても「やってもいないのにウソの自白をするはずがない」と判断され有罪とされてしまうのが裁判の実情なのです(暴行、脅迫あるいは利益誘導があったということを裁判で立証することは容易なことではないのです)。やっていないことをやったと認めてしまったために、無実の罪で死刑の判決を受けた人もいます。無実の罪を晴らすのに、20年、30年かかった人もいます。真実を貫くのは、時に大変つらいものですが、逮捕、勾留は長くて20数日です。また、弁護人は、いつでもあなたの味方です。つらいときは、いつでも弁護人に相談して下さい。

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6.調書の作成に応じる場合の注意点

 取り調べでは、あなたの言ったことを警察官や検察官が供述調書に記録しようとします。そして調書の最後のところに、あなたの署名と指印をするように要求します。あなたが署名と指印をすると、供述調書に書かれていることは、あなたが言ったことに間違いないものとして裁判で扱われることになります(あなたが真実と違うと考えること、体験していないことが書いてあっても間違いないものとして裁判で扱われてしまいます)。ですから、供述調書はよく読み聞かせてもらい、間違いがないか、しっかりと確認して下さい。場合によっては手にとって自分で読ませてもらって下さい。少しでも間違っていたり、納得がいかないところがあれば、遠慮なく言って、削除してもらうか、訂正してもらって下さい。どうしても納得がいかないときは、署名も指印も拒否することができます。そもそもあなたの供述とおりに調書が作成されていても署名や指印を押す義務はあなたにはありません。署名や指印を拒否しても、あなたには何ら不利益とはなりません。なお、どういうことを話し、どういう供述調書が作成されたかは、覚えておくか、紙に書いて記録しておいて弁護人に話して下さい。

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7.起訴された場合

 勾留中に起訴された場合、裁判所に、保釈を申請すれば、裁判が行われる間、仮に釈放される場合があります(保釈)。

 また、法律に定められたいくつかの要件にあてはまり保釈の決定が出たとしても、保釈保証金(逃亡したりせず、裁判に出ることを約束して、裁判が終わるまで、裁判所に納めておくお金)を納めなくては最終的に保釈は認められません。

 ※保釈を認めるかどうかは、裁判所が決めることで、警察官、検察官には保釈するかどうかを決める権限はありませんので注意して下さい。

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8.弁護人の費用

(1) 当番弁護士の1回目の面会の費用は無料です。気軽に依頼しましょう。

(2) その後も弁護を頼んだ場合(私選弁護人)には、弁護人の費用が必要となりますが、弁護人の費用は、弁護士会の規定に基づいて決まります。あなたの経済的事情も考慮してもらえるようになっています。

また、弁護人を頼みたいが、お金がないときは、日本司法支援センター(法テラス)が弁護料を援助してくれる制度(刑事被疑者弁護人援助制度)があります。
詳しくは、面会した弁護士とご相談下さい。

(3) あなたが、起訴された場合には、国が弁護人をつけてくれる制度もあります(国選弁護人)。上記の刑事被疑者弁護人扶助制度を利用した場合には、その弁護人が国選弁護人となるようになっています。

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9.「留置場(拘置所)での生活」

 以下の、記載は、あくまで一般的なものです。各警察署、拘置所で少しずつ決まり事に違いがありますので注意して下さい。

(1) 食事

 食事は、毎日決まった時間に官給食が支給されます。病気などのために特別な食事が必要な場合は警察官あるいは刑務官に申し出て下さい。お金を出せば、給食のかわりに好きな食べ物をとってもらうこともできます(ただし、業者が指定されていることが多いようです)。

(2) 医療

 体の具合が悪いときには、医師の診断を受けることができます。特異体質や持病のある方は、係官に申し出て下さい。

(3) 面会

 家族や知人と面会することができますが、警察官あるいは刑務官が立ち会ったり、時間を制限されることがあります。また、特別な場合には、裁判官の命令で弁護士以外との面会を禁じられること(接見禁止)があります。

(4) 差入

 家族等に頼んで、歯ブラシ・タオルなどの日用品、お金、衣服、新聞、本などを差し入れてもらうことができます。お金を出せば、自分で必要なものを買うこともできます。ただし、各警察署や拘置所によっていろいろな制限がありますし、毎日好きな時に買うことができるわけではありません。詳しくは、係官によく聞いてみて下さい。

(5) 手紙・電報など

 弁護人、家族などに手紙を出したり、電報を打つことができます。ただし、弁護人以外に宛てた手紙の内容は警察官あるいは刑務官が読んで点検することになっています。

 以上が、逮捕された場合に、どのような状況に置かれるかということの説明です。

 万一あなたや、あなたの親族、知人が逮捕されてしまうような状況に陥った場合には、落ち着いて冷静に対処できるように、記憶に留めておいて下さい。

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