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過去の質問とお答え

内容の根拠になる法律は放送された時点のものであり、その後法律が改正されている場合があります。掲載内容はあくまでも、参考にとどめていただき、実際の対応については弁護士に相談されることをお勧めします。

戸籍・姓

離婚後の子どもの氏の変更

子供の戸籍の変更についてお聞きします。
私は3年前に夫と協議離婚しました。娘が1人いるのですが、離婚のときには私だけ夫の戸籍から外れ、娘は夫の戸籍に残ったままです。親権者も夫のままなのですが、娘は私が引き取って一緒に暮らしています。
その娘が来年はいよいよ小学校にあがるために、今のうちに、娘の姓を私の姓に変更したいと思います。ただ、夫は反対しそうなのでまだ相談していません。
そこで伺いたいのですが、このように子供の姓と戸籍を変更するにはどのような手続をすればいいのでしょうか。また、夫が反対した場合はどうすればいいのでしょうか。

相談者: 兵庫県在住の女性(37才)

1.御相談の内容から察するに、この方は、離婚に際して、旧姓に戻られたご様子ですね。
御存じの方も多いと思いますが、離婚の時から3か月以内に市町村役場や区役所の戸籍係に届出をすることによって、離婚してから後も結婚中の姓(名字)を名乗り続けることができます。たとえば旧姓「鈴木」さんが「浜村」さんと結婚されて、浜村の姓を名乗られたとします。離婚される時に、今後も「浜村」という姓を名乗りたければ、この届け出をすれば良いのです。
この届け出をしなければ、旧姓の鈴木さんに戻るわけです。
2.離婚によって、夫婦は別々の戸籍に別れて記載されることになりますが、お子さんの戸籍は当然には移りませんし、お子さんの姓も当然には変化しません。お子さんが「浜村淳子」さんだとしますと、浜村淳子さんは、両親が離婚しても、相変わらず浜村の姓で、浜村さんの戸籍に記載されているわけです。この関係は、親権がどちらにあるかに拘りませんし、どちらで養育されているかにも拘りません。
3.ご相談の方の場合も、この方だけが、夫の戸籍から外れ、来春小学生に上がられる娘さんは、ご相談者と一緒に生活しているけれども、戸籍は(元の)ご主人の方に残って、ご主人の姓を名乗っておられるわけです。
例えば、ご相談の方の姓は離婚の後は旧姓の「鈴木」さんなのに、お子さんは「浜村」淳子さんという状態ですね。
4.お子さんが小学校に上がられるに際して、一緒に暮らしているお母さんと姓が違うというのは、ちょっと気になることでしょうね。
5.このような場合に備えて、法律は「子の氏の変更」という制度を用意しています(民法791条)。これは、家庭裁判所に許可をもらって、市町村役場又は区役所の戸籍係に届け出ることによって、お子さんを貴女の戸籍に移すとともに、お子さんの姓を貴女の姓に変える制度です。
6.問題は、お子さんの年齢がまだ6歳前後という点です。
といいますのも、法律は、子の氏の変更手続について、お子さん本人が15歳未満の場合には「法定代理人」が、お子さんに代わって手続をすることにしているのです(民法791条3項)。お子さんの「法定代理人」とうのは、「親権者」のことです。ご相談者の場合、親権者は(元の)ご主人ということのようですので、ご相談者には手続が出来ないことになってしまうのです。しかも、元のご主人は、お子さんの姓の変更に反対しそうだということですね。
7.ただ、お子さんの姓の問題ですので、お子さんの成長にとって何が大事かを、元のご主人にも真剣に考えてもらう必要があるでしょうね。その為にも、元のご主人と、しっかり話し合いされて、説得する必要が有るのではないでしょうか。
8.先に、お子さんが15歳未満の場合には「親権者」だけが法定代理人として氏の変更の手続が出来ると説明しましたが、実は、御相談者のような事情に配慮して、「実際にお子さんを養育している『監護権者』もここに言う法定代理人に含れる」と裁判所が判断した例があります(釧路家庭裁判所・北見支部・昭和54年3月28日審判)。
法律の言葉遣いからすると、ちょっと飛び越えたような判断かもしれませんが、このような例も有りますので、元の御主人が納得されない場合には、御相談の貴女が、お子さんを代理して、子の氏の変更手続にチャレンジしてみることも考えられます。尤も、担当の裁判官が、個別的事情に基づいて判断しますので、必ず認められるという保証はありません。
9.手続としては、貴女とお子さんが住んでおられる住所地を管轄する家庭裁判所に、「子の氏の変更許可」を申し立てることになります。
申立の用紙は家庭裁判所に有ります。貴女の戸籍謄本と、元の御主人とお子さんが乗っている戸籍謄本(合計2通になります)、若干の手数料と郵便切手、印鑑を持って家庭裁判所に行って下さい。
10.法律の言葉遣いどおり、貴女に法定代理権が無いとしますと、元のご主入が協力してくれませんと、お子さんの氏の変更は出来ないことになりそうですが、この場合は、翻って、お子さんの親権者を、元のご主人から貴女に変更する手続をとることも考えられます。
この親権者の変更も、家庭裁判所で決定してもらう必要があります。
法律は、「子の利益のため必要があると認めるときは、家庭裁判所は、子の親族の請求によって、親権者を他の一方に変更することができる」としています(民法第819条第6項)。
「子の氏の変更に協力しない」という点だけで「子の利益のため必要がある」と認められるかどうかは予断を許しませんが、お子さんと一緒に生活しておられるのが貴女であること等の事情との兼ね合いによっては、認められることも有り得ると思います。
11.こういった問題につきましては、家庭裁判所でも、相談に応じてくれております。実際の法的手続申立の前に、一度、お近くの家庭裁判所にご相談になるとよいでしょう。

出典: 土曜日の人生相談(2000年12月16日放送分)

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