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過去の質問とお答え

内容の根拠になる法律は放送された時点のものであり、その後法律が改正されている場合があります。掲載内容はあくまでも、参考にとどめていただき、実際の対応については弁護士に相談されることをお勧めします。

戸籍・姓

姓の異なる娘の氏を変更したい。どうしたらいい?

「離婚後の姓」の件でご相談します。
私は夫と3年前に離婚しました。当時3才のひとり娘は、私が引き取りましたが、将来のことなどを考えて、親権者は夫としました。私は離婚後に旧姓に戻りましたが、娘の姓は元のままです。
ところが、娘が来年小学校に入る歳となり、心配になってきました。母親の私と姓が違うことが周りに知れると、娘が学校でイヤな思いをするのではないかと思うのです。
別れた夫に相談したところ、子供のためならば、姓を変更しても良い、と言ってくれました。そこで、子供の姓を私の姓に変更したいと思うのですが、このような理由で姓の変更は認められるのでしょうか。また、どのような手続きをすればいいのでしょうか?それに、夫の親権者としての立場に影響はないのでしょうか?

相談者: 滋賀県にお住まいの32才の女性

1.離婚と復氏
原則:婚姻によって氏を改めた夫又は妻は、離婚により、婚姻前の氏に復することになります。
例外:但し、離婚の日から3ヶ月以内に、市町村に離婚の際に称していた氏を称する届出をすれば、婚姻中の氏を使用することができるようになります(戸籍法77条の2)。
2.離婚と戸籍・子の氏
(1)子の氏は、父母が婚姻中に共同で称していた氏とされ、両親が離婚して、母が婚姻前の氏に復氏しても子の氏に変動はありません。
というのは、日本では、「氏」を重視しているため、同一戸籍に在籍できるのは、夫婦(当然、同一の氏)と氏を同じくする子とされているからです。
(2)このことは、母が婚姻中の氏を続称するようになっても、母と子が別の戸籍であることは変わりません。たとえ、母が親権者であっても、母については、新戸籍がつくられ、子は従来の戸籍に残ることが原則となります。
(3)ただ、一定の手続きをへれば、母と子を同一の氏、同一の戸籍にすることができます。
すなわち、家庭裁判所(子の住所地)において、子の氏の変更許可の審判を得て、この審判に基づいて、市町村に入籍届をすれば母と子は同一の氏、同一の戸籍に入ることが可能となります。
(4)なお、子が15歳未満の場合には、法定代理人(親権者)が審判を申立てることになります。
3.本問の回答
例:夫 甲野太郎、妻 甲野花子(旧姓 乙山花子)子 甲野ゆり
として、夫婦が離婚した場合(親権者は父)、妻はまず乙山に復氏します。
そして、妻が離婚後3ヵ月以内に甲野姓を続称する届をすれば、妻は甲野姓を使用することができるわけです。
(1)ところが、本問では、離婚後、3年が経過していますので、花子は甲野姓を続称することができず、乙山姓を名乗る他ありません。
(2)そこで、子ゆりの姓を乙山姓に変更するためには、子の氏の変更許可を家庭裁判所に求めればよいように見えます。
しかしながら、ここで問題は、子ゆりの親権者が父であることです。
すなわち、子ゆりの法定代理人は、父太郎であるため、母花子が子ゆりの法定代理人として、子の氏の変更許可を求める審判を申立てることができません。
(3)そこで、この場合、まず、親権者を父から母へと変更する調停もしくは審判をへて、母を親権者に変更した上で、母が親権者として子の氏を乙山に変更することの許可を求める審判を経れば、問題はありません(この裁判は、即日認められることが通常です。)。その上で、市町村への届出をしていただければ結構です。
ところが、親権者を父のままにして、父が法定代理人として、甲野から乙山への子の氏の変更ができるかは相当問題です。
この場合は、家庭裁判所において、どうしてこのような処理をする必要があるのかについて、相当に詳細な事情聴取がおこなわれ、判断されることになります。したがって、必ずしも、乙山姓に変更できるとは限りません。というのは、子の氏の変更許可の審判は、通常は、子の利益を裁判所が後見的に判断して、親権者の氏と同じくするほうが望ましいために認められる制度だからです。このように、親権者でないものの氏に変更することが果たして子の利益になるかどうかが極めて微妙と思われます。やはり、原則は、親権者を母に変更した上で、氏の変更を求めるべきであると思われます。
(4)したがって、本問の回答としては、
 1.)母と同居する子の姓が異なると学校で嫌な思いをすることを理由に、子の氏を母の氏に変更することはできます。
 2.)ただし、手続きとしては、まず父から親権者を母に変更した上であれば、容易に子の氏の変更は認められます。
しかし、どうしても、親権者を変更したくないのであれば、子の氏の変更が認められるとは限りません。
その意味で、子の氏の変更にあたっては、父の親権者としての立場が大きく影響を受けることになります。

出典: 土曜日の人生相談(1999年10月2日放送分)

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