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過去の質問とお答え

内容の根拠になる法律は放送された時点のものであり、その後法律が改正されている場合があります。掲載内容はあくまでも、参考にとどめていただき、実際の対応については弁護士に相談されることをお勧めします。

婚姻費用

家族を残して留学した妻に生活を送らなければならないのか?

夫婦の生活費の負担についてお聞きします。
私の息子夫婦は結婚して2年になりますが、近ごろ、あまりうまくいっていないようです。
昨年嫁が、「もう一度勉強してキャリアを身につけたい」と、言い出し、私と息子の反対を押し切って、アメリカに留学してしまったのです。当初3ヵ月間だけという約束だったのですが、「もう少し」「まだやりたいことがある」などと言って、滞在を伸ばし続け、もう1年以上になります。その間のアメリカでの生活費は息子が送金しているのです。
私としては、そんな勝手な嫁は許せないので、息子に離婚を勧めているのですが、息子は、困ったものだとは思いつつも、未練があるようで、せっせと嫁に送金を続けています。
そこで、伺いたいのですが、このように、妻としての義務を果たしているとは思えない妻に対しても、夫は扶養義務があるのでしょうか?離婚しない限り、嫁の生活費は夫が負担しなければならないのでしょうか?

相談者: 徳島県在住の女性(62才)

I  ご相談の内容から、貴方としては、息子夫婦の関係は、結婚とは名ばかりで、息子が可哀想だと思われているのでしょう。
昨今の夫婦関係は、従来と異なり色々あるのではと思います。
通常、結婚すると、夫婦として共同生活をするわけですから、次のような義務があるといわれています。
1.同居義務 2.守操義務 3.協力義務 4.扶助義務
1は、夫婦が同じ屋根の下に暮すということですが、同じ屋根の下で暮していても、1階と2階で別に生活してる場合などは、いわゆる家庭内別居で同居しているとはいえません。もちろん、正当な理由があり別々の場所で生活していても、これは同居の範疇に入ります。
2は、ほとんど死語となった感のある「貞操を守る義務」です。
3は、同居義務と同じで夫婦共同から当然の義務です。
ただ、具体的な内容は、夫婦のそれぞれの職業、資産等の事情で決まるもので、相互の協力の内容が常に固定されるものではありません。
4も、夫婦共同生活からの義務です。
この義務は、相手の生活を自分の生活と同じ程度のものとして保障する、いわゆる「生活保持の義務」といわれています。
ただ、この相互の扶助も、夫婦の資産状態等に相応するものですので、それぞれの夫婦で千差万別です。
II  ところで、貴方としては、息子のお嫁さんが反対を押し切って3ヵ月の約束でアメリカに留学し、その後も滞在して1年以上になることから、妻としての義務を果たしていないので、息子さんが生活費を負担する必要はないのではとの質問ですが、現時点での結論は、息子さんに扶養義務はあると考えます。
確かに、結婚後1年弱で、仕事のための海外勤務でもなく、単身でアメリカに自分のために留学し、1年以上経過しており、あまりにも自分勝手と思われているのでしょう。
しかし、これは、息子さん夫婦の問題です。
息子さんも、困ったものとは思いながら、お嫁さんの留学延長を受け入れています。
息子さん夫婦間での一応の話し合い(多分に、お嫁さんに押し切られていると思いますが)で、このような生活を受け入れていることから、お嫁さんが同居・協力義務に反していると言い切るとはできません。
III  とは言うものの、仮に息子さんが結婚を継続したいと考えているなら、このような「なし崩し」の状態のままでは、アメリカからお嫁さんが帰国して同居生活を再開しても、日本で同じような状況が発生することが考えられます。
この際、息子さんは奥さん宛に手紙等で次のようなこと等を伝え、両者が理解を深めることが肝要ではないでしょうか。
1.息子さんの現在の気持(結婚生活等)とアメリカ留学を切り上げて帰国してほしいこと
2.相手方(お嫁さん)の結婚生活等についての考え、現在の気持
3.アメリカ留学の目的と、現在の状況及び今後の予定
息子さんからの連絡に、お嫁さんが真摯な対応をしない場合、夫婦関係の清算も考えざるを得ないかもしれません。
なお、生活費の送金も、お嫁さんの対応によっては、正当な理由なく別居を一方的に行っていると判断できる場合として、お嫁さんからの扶養の請求はできないと考えられます。この場合、生活費の送金をストップしてもやむをえないと考えます。
繰り返しになりますが、この問題は、息子さん夫婦の問題ですので、上記の相互の気持を確認するというアドバイスに止めておくことが、お母さんとしての限度では。
あまり息子さんを責めるようなことは避けないと、自分自身で気持の処理ができないまま、板ばさみとなって思わぬ行動をとることになるやもしれませんので。

出典: 土曜日の人生相談(2001年11月17日放送分)

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