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過去の質問とお答え

内容の根拠になる法律は放送された時点のものであり、その後法律が改正されている場合があります。掲載内容はあくまでも、参考にとどめていただき、実際の対応については弁護士に相談されることをお勧めします。

夫婦の財産関係

夫婦財産契約とは

結婚のときの個人財産についてお聞きします。
私は今度仕事で知り合った男性と結婚することになりました。
彼は平凡なサラリーマンで、とりたてて財産と言えるものは、何も持っていません。
ところが、私の方は資産家の父が3年前に亡くなったときに、遺産の一部の不動産などを亡父から相続しており、それなりの財産を持っています。このことは、彼にはまだ内緒にしているのですが、せっかくの財産ですから、夫婦で協力して役に立てたいと思い、2人の共有財産として、管理を行いたいと考えています。
知人から、フランスでは、結婚前にお互いの財産についての取り決めを契約しておくことが普通である、とも聞きました。
日本にも夫婦間の財産契約という制度があるのでしょうか?

相談者: 兵庫県在住の女性(31才)

1.日本にも夫婦間の財産契約という制度(民法756条。以下、「夫婦財産契約」といいます。)はあります。
この夫婦財産契約により、婚姻前から所有している財産を夫所有にするのか、妻所有にするのか、共有にするのか、また、婚姻中に夫婦が取得する財産をすべて夫の所有にするのか、全部妻の所有にするのか、共有にするのか、さらに、夫婦が共同生活する際の費用を全部夫が負担するのか、妻が負担するのか、それぞれの財産の応じて分担するのかを定めることができます。
しかし、夫婦財産契約は、婚姻届出前に締結しなければなりません。すなわち、夫婦財産契約を婚姻届出前までに締結しなければ、夫婦間においても夫婦財産契約は無効となります。
さらに、婚姻届出前までに夫婦財産契約を締結しても、婚姻届出前までに、夫婦財産契約を締結したことを登記しなければ、夫婦間では夫婦財産契約の内容どおりとなりますが、第三者に対しては、夫婦財産契約があること、すなわち夫婦財産契約の内容を主張することができません。
このように、夫婦財産契約が厳しい条件のもとでのみ認められており、また、夫婦財産契約制度の存在すら知られていないため、日本では、ほとんど夫婦財産契約は締結されていません。
なお、夫婦財産契約は、契約の中に内容を変更する方法を定めておかなければ、婚姻届出の後、契約内容そのものを変更することはできなくなります。仮に、夫婦財産契約をする場合でも、婚姻届を出したのち「止めた」と言えなくなることがありますので注意が必要です。
2.それでは、民法に定められた夫婦財産契約を締結しなければ、夫婦間の財産は、どうなるのでしょうか。
夫婦の一方が婚姻前から有していた財産、および婚姻中に自分の名前で得た財産は、その者の個人的財産となります(民法762条1項)。これを夫婦別産制といいます。
但し、夫と妻のうち、どちらの物か分からないときは、共有となります(民法762条2項)。
また、費用についても、夫婦は、その資産、収入その他一切の事情を考慮して、婚姻から生ずる費用を分担します(民法760条)。
夫婦財産契約制度が一般的ではない日本では、むしろ、こちらが原則形態となっています。
3.もっとも、夫婦別産制を前提として、夫の月給の半分を妻に渡すとか、食費については妻が負担するとかいうような夫婦の内部的な約束は、むしろ夫婦間に存在するのが普通です。この約束は、前述しました夫婦財産契約とは別物です。
このような内輪での約束は、第三者に対して効力を有するものではなく、夫婦財産契約婚姻後も自由になすことができます。
また、婚姻後夫婦間の個別契約として、妻が有していた不動産の持ち分の一部を夫に贈与するという契約も可能です。
しかし、婚姻後の夫婦間の契約は、第三者を害する場合を除き、いつでも取り消すことができる点で、夫婦財産契約とは大きく異なります(民法第754条)。
ご質問は、相続財産である相談者所有の不動産などを夫との共有財産として管理したいということですが、夫婦財産契約をしなくても、夫と妻との個々の契約として不動産の持分権を譲渡(贈与)し、不動産を共同で管理するという契約でその目的を達することができます。
なお、贈与に関していえば、夫婦財産契約ではなく、個々の契約をする場合、婚姻前か婚姻後かでその扱いが異なります。
婚姻後の夫婦間の個々の契約であれば何時でも取り消すことができます(民法第754条本文)。但し、婚姻後の夫婦間での贈与契約でも、このケースでいえば、夫が贈与を受けた不動産の持分を第三者に譲渡などしたりしてしまうと贈与契約を取り消すことができなくなりますので注意が必要です(民法第754条但書)。
これに対し、婚姻前であれば、他人間の贈与となり、書面で贈与の意思を明らかにしていたり、また、書面を作っていない贈与でも不動産の引渡後や登記後であれば、以後贈与契約を取り消すことができなくなります(民法550条)。

出典: 土曜日の人生相談(2001年6月30日放送分)

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