大阪弁護士会

メニュー

06-6364-1248

文字サイズ
標準
特大

法律Q&A

トップページ > 法律Q&A > 亡くなった母の預貯金の払い戻し~相続法の改正~

亡くなった母の預貯金の払い戻し~相続法の改正~

2019.05.20

母が4月末に50才で急死しました。ショックですし,困っています。大学院の学費100万円を5月末までに母に支払ってもらうことになっており,1200万円ほどの普通預金が残っているA銀行に戸籍を揃えて行ったのですが,引き出せないと言われたのです。相続人は長女の姉と次女の私と2人ですから,半額を引き出せないのでしょうか。数年前に父が亡くなった際は,そうできると聞いたのですが。姉は母や私と仲違いをして交流がなく,葬儀にも来ませんでしたので,連絡をとって話し合いをするのは簡単ではありません。遺言はありませんでした。
 現在の法律では,あなただけで5月末までに預金半額を引き出すことは かなり難しいでしょう。なんとかお姉さんと話し合ってさしあたりこの預金のことだけでも決めることはできませんか。ただ,今年(2019年)7月1日に新しい相続法になりますと,A銀行から150万円を引き出すことができます。大学に事情を説明して,それまで待ってもらえないでしょうか。待ってもらえない場合には,「保全処分」という手続について,弁護士に相談をしてみてください。

 亡くなった方の銀行預金については,以前は,相続人が法律上の相続の割合分(今回のあなたであれば2分の1)は引き出せると考えられていました。しかし,2年ほど前の最高裁の判断により,現在は,「相続人の間でその預金をどう分けるかを決めるまでは引き出せない」と扱いが変わっています(詳しくは2018.04.13法律Q&Aをご覧ください)。遺産を適切に分けるために扱いが変わったのですが,急いでその預貯金を使う必要がある場合などは不便です。遺言を残す,信託を利用するといった生前の準備のほか,亡くなった事実が銀行に伝わる前に葬儀費用などを引き出すといった便法が使われることもありますが,今回はいずれもできないようですね。

 このような不便さが生じたため,新しい相続法は,「預貯金ごとに法律で定められた相続の割合のさらに3分の1は引き出すことができる」としました。つまり,今回であれば,あなたは,

   1200万円×1/2×1/3=200万円

は引き出せます。ただ,「1つの金融機関からは150万円まで」という制限もあり,今回はA銀行からは150万円ということになるわけです。この制度は,7月1日以降であれば,それより前に亡くなった方の相続についても利用できるのです。

 7月初めまで待ってもらえない場合や,これ以上の金額を引き出す必要がある場合には,家庭裁判所の「保全処分」という制度を使う必要があります。この制度も今回の法律改正で新しくなり,使いやすくなりました。この方法を使う必要があるには,弁護士に相談をしていただくほうがよいでしょう。

お母さんの遺産全体についての分割についても,話し合いが難しいでしょうから,家庭裁判所で解決する必要がありそうですね。全体解決について弁護士に相談してみませんか。改正された相続法は,ちょっと揉めそうな相続についても色々と解決策を用意しています。

アクセスマップ

外観
大阪弁護士会 総合法律相談センター
所在地:〒530-0047 大阪市北区西天満1-12-5
TEL:06-6364-1248

※ご相談は各地域の法律相談センターへ直接お問い合わせください。

法律相談センター一覧