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隣地に建った建物で日当たりが悪くなった。家賃の値下げ要求はできるのか。

2018.04.03

賃貸住宅の賃料についてお聞きします。 我が家は賃貸アパート住まいです。現在の家賃は少し高めかなと思いつつも、駅やスーパーマーケット、学校などに近く便利なので、特に不満なく暮らしていました。 ところが、最近アパートの南隣りの土地が売りに出され、そこに大きな分譲マンションが建つことがわかりました。現在は工事が半分ほど進んでいるのですが、このマンションが出来上がると、我が家は日当たりも悪くなるし、駐車場の車の出入りなども頻繁になるため、住環境が悪くなりそうなのです。そのような環境では、現在の家賃をそのまま払いつづけるのは納得できません。 そこで、伺いたいのですが、住み始めて以降に周辺の環境が悪くなった場合、大家さんに対して家賃の値下げを要求してもいいのでしょうか?また値下げに応じてくれない場合は、どうすればいいのでしょうか?
1.建物の家賃について、借地借家法(32条)は「建物の借賃が、土地もしくは建物に対する租税その他の負担の増減により、土地もしくは建物の価格の上昇もしくは低下その他の経済事情の変動により、又は近傍同種の建物の借賃に比較して不相当となったときは、契約の条件にかかわらず、当事者は、将来に向かって建物の賃貸の額の増減を請求することができる」と規定しています。

2.ところで、ご相談の場合、入居時に陽当たり等住環境の良さが家賃額決定の条件にされていたでしょうか。
入居時に特に住環境を家賃額決定の要素としなかった場合には、住環境が悪くなったことをもって当然には家賃の減額を請求できないと考えられます。この場合には、ご相談者の部屋の家賃が、近隣の同じ程度(広さや設備、建物の築年数等)の部屋の家賃と比較して不相当に高くなった場合に限り、借地借家法の規定に基づいて家賃の減額請求が可能になります。
但し、一般的に、同じアパートでも永く住んでいる借家人の家賃は安く、最近入居した部屋の家賃は高いという傾向があります。
広さ、設備等が同程度であっても、「高いから不相当だ」と単純には言い切れませんので、注意して下さい。また、都心に近い、交通の便がよいといった利便性の高い地域では、建物がどんどん高層化し、陽当たり等の住環境は悪化しがちです。この場合、生活の利便性を享受するためには住環境の悪化もある程度辛抱しなければならないと考えられています。これを受忍限度といい、その程度は地域によって異なります。高層ビルの建ち並ぶ地域では、陽当たり(日照)が数時間しかないというのが一般的でしょうし、他方、田園地帯であれば相当長時間の日照を得ることが可能です。
ご相談者の地域の土地利用状況はどうでしょうか。周辺の建物の平均的な日照時間は短いが、ご相談者の部屋の南隣が偶々空地で陽当たりが確保できていたというような場合には、マンションの建設後の日照時間がその地域の平均的な日照時間を大幅に下回らない限り、受忍限度内といわざるを得ないでしょう。この場合、たとえ日照時間が減少しても、大家さんに家賃の減額の請求をすることはできないと考えられます。

3.他方、入居に際して、大家さん等から「陽当たりがよいため同じ広さの北側の空き部屋よりも家賃が3000円高い」といった説明を受けた場合には、陽当たりの良さは家賃額決定の重大な要素と考えられます。南隣のマンション建設で、北側の部屋と同程度の陽当たりしか得られなくなった場合には、この要素が欠けることになりますので、これを理由に、大家さんに家賃の減額を請求することが可能になると考えられます。

4.家賃の減額を請求できる場合に、大家さんが家賃の値下げに応じてくれないときには、管轄の簡易裁判所に対して家賃減額の調停を申し立てることができます。調停でも解決しない場合には、簡易裁判所または地方裁判所に家賃減額を求めて訴訟を提起することができます。

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